言葉に疑いを持って下さい

 

 

 

皆さんは他人の言葉もしくは、他人の言葉での自分の捉え方を疑っていますか?

 

自分の言葉を他人に完璧に理解してもらいたいという考え方自体に無理があります。

 

私達は無意識の内に、誰もが同じ言葉を同じ意味で理解する事を期待しています。

 

「同じ言葉は誰にとっても同じ意味であるはず」という考え方です。

 

これは部分が全体を作っているという構造主義的な考え方で、言語の世界では「統語論」と呼ばれています。

 

実際は人工知能の父と言われるロージャー・シャンクさんが言うように、文章全体の意味(コンテクスト)が先にあって、部分(言葉)の意味は後で決まります。

 

そして、コンテクストは人によって変わります。

 

同じ言葉を使っても、人によって受け止め方はバラバラだということです。

 

例えば、「川」という言葉を聞いて、日本人なら幅が数メートルくらいの小川を思い浮かべるかもしれません。

 

ですが、中国人は対岸が見えない大河を思い浮かべるかもしれないのです。

 

こう言うと当たり前だと思うかもしれませんが、実生活ではほとんどの人がこのことを忘れています。

 

日本人同士なら皆同じコンテクストを持っていると思い込んでしまっています。

 

確かに、日本は島国という地理的な特徴や言語の壁もあって、これまで人々はコンテクストを共有していました。

 

ですが、現在は国籍が日本でも、海外育ちの人がいます。

 

さらにインターネットの発達で、日々吸収している情報の量も傾向もバラバラです。

 

このことを認識しておけば、コミュニケーションでストレスを抱える事はなくなると思います。

 

価値観や物事の見方は人それぞれですし、時が経つにつれて変わるものです。

 

「こうあるべき」という思いから距離を置いて、全てをフィードバック関係だと捉えると視点が大きく変わると思います。

 

フィードバック関係とは「自分が何かをすると何かしらの反応が返ってくること」です。

 

自分の考え方や言動を変えると、違った反応が返ってきます。

 

望む結果を得るには、自分が他人に働きかける方法を変えれば良いと理解できます。

 

これは科学の実験で例えれば分かりやすいと思います。

 

科学の実験では、自分が望む結果が出る事の方が稀だと思います。

 

なので、あれこれやり方を変えて、違う結果が出るように何度も試行錯誤します。

 

と言っても、物事が思い通りにいかないと、怒りが込み上げてくることもあります。

 

怒りも「こうであるべき」というこだわりが原因です。

 

状況を自分の思い通りにしようとするのではなく、どんな状況でも「む結果を得るためにはどうするか」という事を意識を集中させて下さい。

 

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