人が成長する為に必要な条件は、頑張らないと成功しない、できるかどうか少し不安と思われる新たな領域に踏み出す事です。
時代や環境によって、人の気質やスタンダードは変わっていきます。
努力をしなくてもいい快適な環境にばかりうても、人間の能力は磨かれません。
ぬるま湯から外に出ることが必要です。
どこまで快適な領域から外に踏み出していくといいのかは、その人の状況、能力、性格的なことなどによって変わってきます。
ですが、今の実力では実現できそうもないような目標を持って仕事をするという事は、誰にとっても、応用力を高めて、成果を上げるために避けては通れない重要なポイントです。
その踏み出し方は2種類あります。
「何をすべきか=自分には何ができて、何ができないのかが分からない」全く未知の領域に出ていくというのが1つ。
もう1つは「やるべきことは分かっているけど、なかなか実行できない、思い通りにならない」領域に踏み出していく場合です。
新人の場合は前者になると思いますし、その分野での経験があるのであれば、後者の挑戦になってきます。
ただし、ベテランであっても、扱ったことのない領域に踏み出す場合は、前者になります。
自分に必要な挑戦は何かを考えて、意図を持って踏み出していく勇気が必要になります。
例えば、和食のシェフが接客に挑戦しようとする場合、食材や料理の知識があっても受け答えや対話の技術においては、「何が良くて、何が良くないのかわからない」という状況が出てくると思います。
同じように、プレイヤーとして一流の選手が現役を引退して、コーチや監督になった時、その役割を果たすために「何をすべきか=自分には何ができて、何ができないのか」について、瞬時には分からないと思います。
その領域では新人同然という事になります。
この「何が分からないのかが分からない」状態は、人が「種類」の違う領域に踏み出していく時に生じるものです。
もう一方の「何をすべきか分かってはいるけど、なかなか実践できない、うまくできない」ことは、「質(レベル)」の違う領域に踏み出していくときに生じます。
前者は「種類の違い(幅を広げる)」、後者は「質の違い(深さの追求)」と言うと、イメージしやすいと思います。
国内だけでなく、海外でビジネス経験を積んだり、研究開発の分野で仕事をしていた人が営業職に就いたりするのが種類の違いです。
コミュニケーションスキルにおいて、話す技術ばかり磨いていた人が、聴く技術を身に付けることも、種類の違いです。
ある領域をある程度身に付けた人が、さらに腕を上げる事は質の違いです。
聴くことが得意な人であっても、相手の本音をどこまで聞き出せるかということを探求したり、研究開発でもその分野に精通して、業界の最先端技術の探求をすることが質の違いです。
質の違いは、自分で感じるのは難しいので、目標などの客観的な評価基準をうまく活用して深めていく必要があります。
人生は常に、種類の違い(幅を広げる)と質の違い(深さの追求)という2種類の挑戦の繰り返しで成り立っていると思います。
私も幅を広げてから、深さの追求を繰り返しています。
これを繰り返すことによって、未来が変わっていくと思います。