「繋がりの感覚」は、単純にそばに人がいるとか、家族がいるとか、目に見える誰かとの繋がりだけを指すわけではなく、自分の心との繋がりもあります。
具体的には、自分の夢や目標との繋がりです。
例えば、合格を目指して受験勉強に打ち込んでいる人、大会での勝利を目指して練習に励むスポーツ選手などは、1人で勉強や練習をしていても、孤独を感じる事はありません。
あるいは自分の仕事に集中している時も、「自分は孤独だ」なんて感じないと思います。
今という時間と繋がっている状態が、集中しているという事です。
そうやって自分自身に繋がっていれば、図書館で1人勉強していても、河原の土手を1人で走っていても、カフェで1人で企画書を書いていても、「寂しい人と思われたらどうしよう」等という雑念が入り込む余地はありません。
「孤独だ」等と嘆いている人は、不完全燃焼感から来る自分への不甲斐なさを寂しさとして捉え、それを他人と繋がる事で紛らわそうとしている可能性があります。
だから、孤独で寂しいと感じている人は、夢中で打ち込めるものを見つける事です。
好きな事には、意識しなくてもより効果的な方法をどんどん取り入れていくものです。
そんな試行錯誤、つまり「なぜ、上手くいかないんだろう」「次はこうすればいいのではないか」と考える作業は内省そのものであり、孤独力の獲得に繋がります。
そして、上達していけば、その過程で得られる成長実感や達成感が自信に繋がります。
そうした感覚は、「自分は大丈夫」「なんとかなる」という強さとなり、1人でいる事を寂しいと思わなくなります。
だから、自分は何が好きで何が得意か、何を捨てて何に打ち込むべきかを見極めて下さい。
今は特になくても、色々挑戦してみて、自分の得意不得意の分野や領域が見える域まで試行錯誤する事です。
もしやってみて、興味が持てない、情熱を注げないという事に気付いたら、すっぱりやめて次に行けば良いです。
苦手なもの、苦痛を感じるものからは足を洗う決断をして、自分が幸福を感じるものに絞り込んでいきます。
仕事にしろ、スポーツや趣味にしろ、そうやって未来に向けて没頭できるテーマを持って下さい。
上を目指して努力すれば、必ず壁にぶつかります。
その壁は他人がどうこうよりも、自分の心そのものです。
努力は他人に代わってもらえません。
自分がやるしかありません。
だから他人には依存も期待もせず、自分の心との対話を通じて克服する力を獲得するのです。
だからなのか、どの分野でも「一流」と呼ばれる域に達した人は、自己内省力が高いと言われています。
一流人材の発言には重みがあり、数々の名言が生み出されることが多いのも、この事によるのかもしれません。
実際、スポーツは孤独による内省力を高める最高の訓練の1つでもあります。
スポーツの世界では、他の選手やグループと一緒に練習するよりも、1人で練習する時間が多いほどスキル上達が速いそうです。
実際、エキスパートの多くは、人の見ていない所で1人で努力する傾向があると言います。
「天職」という言葉がありますが、これは自分の生まれつきの性質に合った職業に出会う事ではなく、自ら能動的に働きかけてスキルを深め、興味を持って取り組み、成長や上達を実感して、それを喜びに感じる事です。
つまりこれも、極めて内省的な問題であることが分かります。
反対に、何年やってもうだつが上がらないとしたら、自分で問題意識を持って主体的に取り組んでこなかった可能性があります。
だから仕事が面白くない。
面白くないから社内の人間や会社の体制の欠点ばかりが目につく。
そして、不平不満ばかり言うようになります。
自ら長期・短期目標を立てて、自分で特定した「意図的な鍛錬」をしていないから、ただ日々の仕事や勉強、練習をこなしているだけ。
それでは成長もおぼつかないと思います。
結局、1人で不安だ、なんて言っている内はまだ余裕があるという事です。
ただ、不完全燃焼なだけです。
行動が足りないだけです。
一生懸命生きていないだけです。
毎日、まだやれる余力を残したまま、1日を終わらせていませんか?