ワークライフバランスという言葉が、世の中で普通に使われるようになりました。
働き方改革という旗のもと、政府までもが、働き方のあるべき姿を定義しようとしている今日この頃、「今の時代、がむしゃらに働くだけでなく、余暇を充実させる事も求められているのでは?」と考える方も多くいると思います。
確かに、仕事と余暇のバランスが取れている事が、健全な生活に繋がるとも考えれるので、この考え方はもっともな正論に聞こえます。
しかし、果たして仕事ができない内から、仕事と余暇の両方を充実させて、その状態を維持できるかというと、そうではないと思います。
実際に、最初から仕事と余暇のバランスの取れた状態を創り上げ、その状態を継続させることのできる超人は、ほとんどいないと思います。
私もそんなに器用ではないですし、スマートな生き方が最初からできません。
ただ、それでも仕事と余暇のバランスが取れた状態には憧れていました。
最初からワークライフバランスの取れた状態を無理に創り上げるのではなく、最終的にバランスが取れている状態を目指せば良いと思います。
急がば回れではありませんが、やはり器用に仕事と余暇の両立をできない以上は、まずは仕事という社会人の生活の根底をなす部分で、長期的な居場所の確保に努めるべきだと思います。
つまり、まずは「稼ぐ力」を身に付け、長期的な生活基盤の安定を図る事から始めてみるという事です。
時間とお金にある程度余裕ができた段階から、趣味などの充実に乗り出し、最終的に理想とする姿を確立する。
時間やお金、心の余裕といった現実的な自分自身のリソースを考慮すると、このような考え方も良いと思います。
仕事スキルや生活基盤が軟弱なまま、プライベートの充実にまで乗り出すと、仕事も趣味も中途半端で終わってしまいます。
しかも、それがたたって、生命線である仕事でリストラされると、ワークライフバランスも何もありません。
受験勉強の期間、勉強以外の優先順位を下げて、受験に邁進した過去を持つ方も多いと思います。
がむしゃらに勉強に注力できたのは、「受験期間のみ」という期間限定だったからこそだと思います。
それと同じです。
現実的に、まずは社会人としてのサバイバルスキルである、仕事におけるスキルを確立する。
その後で、じっくりと趣味などの充実に乗り出し、最終的にワークライフバランスの取れた状態を創り上げて下さい。
世の中に溢れる理想論に振り回されないようにして下さい。