少し高い給料の方が不幸

 

皆さんはお金に対する感覚を高める事ができていますか?

 

大きな資産を築いてきた成功者たちの共通点の1つに、「フィジカルストレングス(身体的な強さ)」というものがあります。

 

お金を稼げば稼ぐほど、その職責やプレッシャーも大きくなるわけですが、それに耐える心の強さを支えているのが強靭な体なのです。

 

脳科学的な知見から言うと、運動やトレーニングは脳に良い刺激を与えて、神経伝達物質のバランスを整えてくれます。

 

体が常に健康であることで得られるメリットは、次のようなものが挙げれます。

 

・冷静沈着で平常心を保つことによって、論理的思考力が身に付く

 

・いざという時の選択や決断を誤らない判断力が身に付く

 

・自分の体験やイメージを正確に蓄える事ができる記憶力が養われる

 

・自分が逆行の立場に置かれても、粘り強く前向きに考えるポジティブ思考が身に付く

 

・エネルギッシュでアクティブな行動力が芽生える

 

これらの特性を一言で言えば、「脳のセルフコントロール力が高まる」という事です。

 

運動やトレーニングの効果はこれだけではありません。

 

脳の注意システムが活性化する事によって、ストレスから解放され、やる気と集中力を高めてくれるのです。

 

私も毎日ジョギングをしたり、ジムで筋トレをしています。

 

日々のトレーニングは確実に脳と体を活性化して、自分のお金に対する鋭い感覚を高めてくれるはずです。

 

ある、脳科学的に面白い実験があります。

 

それは、「認知的不協和」というものです。

 

この認知的不協和とは、自分の気持ちや経験にそぐわない状況に置かれた場合、居心地の悪さを避けようとして、自分を納得させられるように自分の状態を正当化するという事が起きる状況を表す社会心理学用語です。

 

例えば、単調な仕事を報酬の高いグループと報酬の低いグループに同時にやらせると、次第に報酬の高いグループが不平不満を言い始めるという研究結果があります。

 

報酬の低いグループは自分の中で「なんでこれだけしかお金をもらっていないのに、こんなにつまらない仕事をやっているのだろう」と思います。

 

すると、自分がつまらない仕事をやっているという事実と報酬が少ないという事実が矛盾するわけです。

 

その方法を解消する方法としては2つしかありません。

 

1つは報酬を上げてもらうこと。

 

もう1つは、この単調でつまらない仕事を面白いと思う事です。

 

しかし、報酬を上げてもらうという事は現実的に難しいので、「自分がやっているこの仕事は価値があることなんだ」と思うようになるのです。

 

一方で、報酬の高いグループは「自分はこれだけのお金をもらっているから、このつまらない仕事を我慢してやっているんだ」というように考えてしまうので、不平不満を平気で口にしてしまうのです。

 

このような事からも、お金がいくら儲かったかというのは結果でしかないという事を理解して下さい。

 

良い仕事をしたという満足感が先にあって、その後からついてくるものとしてお金があるのです。

 

雇用を生み出す企業側にとっても、ただ給料を上げることだけで従業員の満足が得られるわけではありません。

 

お金だけではなく、従業員の働きがいという事を考えて、仕事の設計や職場のあり方を追求していく事が凄く大事なことのように感じます。

 

いつの時代においても、人材育成は経済成長戦略の核になっていきます。

 

一般的な経済学の理論で雇用を考えれば、普通は皆、より報酬が高い職業に就きたがると思われがちですが、世の中の雇用の仕組みというのはそれほど単純ではありません。

 

アニメーターというのはすごく給料が低いものです。

 

それでも皆、やりがいを持って喜んでやっているわけです。

 

一方で、伝統的に金融はすごく給料が高いと言われています。

 

実際にファンドマネジャーをやっている人はボーナスが何億円~何十億円という世界です。

 

ところが、皆が皆ファンドマネジャーをやるかと言えばそうではないです。

 

人間の脳の中では、仕事のやりがいに対する満足度指数があります。

 

必ずしもたくさん稼げるだけがやりがいだと感じるのではありません。

 

アニメーターや芸術家などは、貧乏でもやりがいに対する満足度が高いので、脳は不幸やストレスをあまり感じないのです。

 

東京芸術大学では、例えば油絵専攻は倍率50倍の狭き門なのですから、アートというものはやはりそれだけの魅力というか、魔力があるのです。

 

ピカソとか、会田誠さんや宮崎駿さんを目指して入っていくわけです。

 

ビートルズにしても、最初はバンドでお金を稼げなかったのですが、自分が熱狂できる事をただひたすら追いかけている内に、あれだけのトップスターになったという事を歴史が証明してくれています。

 

現在では、研究の分野でも、いくら博士号を取ったからと言っても、引く手あまたの就職先があるわけでもありませんし、一流大学に「栄光の頂点」のような感じで入学しても、将来が約束されるわけではないのです。

 

このような事からも、仕事の満足というのは決してお金で買えるものではないという事を認識するべきだと思います。

 

仕事の面白さ、やりがいというものは自分で決めるものです。

 

関連産業まで含めれば、自分の夢を叶える選択肢はたくさんあるわけです。

 

一人ひとりの仕事の選び方においては、お金も現実的には大事ですが、それよりも自分が熱狂できる事は何かという事を基準にした方が、結果として良い事になると思います。

 

タイトルとURLをコピーしました