皆さんは「目的思考」を持てていますか?
「目から鱗が落ちる」という言葉があります。
目標を達成する事だけに心が向き、その目標をクリアしていった先の目的や夢などというものが無い人が多いです。
目標思考だけあって、「目的思考」が無いという事です。
会社としての目的、使命感、将来のイメージが無いと、セールスマンとしてはともかく、経営者としては絶対に成功しません。
日常の仕事の先に大きな企業目的があるという意識、その目的の為に毎日があるという思いは自己肯定感をもたらします。
ビジネスパーソンの多くは、目標思考ばかりがあって、目的思考が無いと思います。
日常的に作業をこなす、目標を達成する事だけで精一杯。
そこで得た成果や成長さえも、どこに繋がっているのかも分からないという状態です。
これは、ある意味、やむを得ない事かもしれません。
日本の長い学校生活では、生徒や学生に主体的に「目的」を考えなくとも良いようにできています。
入試や就職など、学校や社会が、知らない所で創り上げた目的を、まるで自分が考えたもののように設定しているからです。
問題なのは、そうした受け身の生き方を十何年にもわたって続けるために、多くの人が主体的に「目的を考える」習慣を身に付けない事です。
さらに、学校を出て社会人になっても、主体的に目的を考える必要はまずありません。
年間計画や売上目標やら日常的な作業など、闘牛たちががむしゃらに突き進む為の赤い布は、いつでも上から降りてきて、勢いよく振られるからです。
こうして、私たちの頭を領してしまうのは「目標」であり、その目標を達成する為の「手段」という事になるのです。
1番に考えるべき事は「目的」なのに、一足飛びで「目標」を、あるいは「手段」を考えてしまいがちです。
私たちが目的をないがしろにして、手段ばかりを追い求めてしまうのは、この背景がある為です。
ですが、「目的」を忘れて、手っ取り早くノウハウ本を読んで「手段」ばかり勉強してみたところで、成果が得られるわけがありません。
「今どのようにしてお金を貯めたら良いでしょうか?」
「貯めるコツや、お金が増える運用のコツを教えて下さい」
と聞かれることがあります。
「何の為にお金を貯めるのですか?」
と聞くと、多くの人は答えれません。
これではダメです。
お金を増やす事ばかりに心が向き、「いかにやるか」という手段思考ばかりのFPが増えているからだと思いますが、この「どんな目的で」「何の為にお金を貯めるのか」という視点こそが、最も重要なのです。
お金は道具です。
つまり「お金は目的ではなく、目的あってこその手段」なのです。
例えば、ビジネスパーソンであれば、これは何の為の行動なのか、何の為にその人に会うのか、何の為にここに投資するのか、といった思考です。
この「何の為に」「どんな目的で」というのは、すなわち「どう生きていくのか」という事とも深く結びついています。
自分自身の生き方の問題なのです。
その為には、独りの時間をつくって、自分の心に聞いてみる事です。