あらゆるものは「働き(機能)」の構成要素に分解できます。
例えば、ボールペンの価値をどのように高めるのか?
ボールペンは、「ボールペンの芯(インク)」「ペン先のボール」「芯を包む筒」「筒の蓋」「芯を固定する為のバネ」「キャップカバー」等で構成されています。
そして、それぞれの要素には「働き」があります。
ボールペンの「働き」とは何でしょうか?
「ものを書く」道具です。
では、さらにボールペンを構成する要素、それぞれの「働き」はどうでしょうか?
芯を包む筒であれば、「持ちやすくする」という働きがあります。
「キャップカバー」には「未使用時にインクがつかない」という働き、「ペン先のボール」であれば、「必要な量のインクを送り出す」という働きです。
それら各パーツの個々の「働き」が備わっていれば、どんな形態であれ、ボールペン全体として求められる「ものを書く」という働きを満たせます。
ノック式のボールペンにはキャップカバーがありませんが、それに代わるノックして芯をしまい込むという働き(機能)があるので、未使用時にインクが付いてしまう事はなく、全体としての機能には変わりありません。(片手で扱えるという機能が加わりますが)
さらにここに、「新しい働き」を加えていくと「新しい製品」になっていきます。
フリクションボールペンは「消せる」という機能が付加されたものですし、万年筆には、「筆圧によって書き味を変えれる」という機能があります。
同じボールペンでも高級品になれば、素材などが高級になる事で「ビジネスシーンで一流感を示す」など、「ステータスを高める」という働きも加わります。
一見同じように見えても、「高級ボールペン」と「100円ボールペン」は、そういう意味では違った働きを持っているので、番う商品だと言う事ができます。
この様に、あるものを要素に分解すること、特に「働き」に着目して要素に分解する事は、仕事の改善、スキルの改善、人生の改善、目には見えないあらゆる事の改善等、何においても役立つ手法なのです。
目には見えない事の働きを、「会議主催者の挨拶」という事例で考えてみます。
会議の冒頭では、その会議の主催者やリーダーが開始宣言をすると思います。
と同時に、「挨拶」をする事があると思います。
あの挨拶の働きは何でしょうか?
リーダーは何をしているのでしょうか?
挨拶を要素に分解してみると、「会議の目的を説明する」「目標や実績の話をする」「メンバーの頑張りや成果を褒める」「会議の進め方の注意点を話す」等があります。
それぞれに「働き」があります。
「目的に沿った議論をさせる」「達成感を感じさせる」「危機感を高める」「会議に参加する意欲を高める」「参加者の不安を取り除く」等の働きを期待して、挨拶がされているはずです。
人は「何をするか」「何を話すか」に目を奪われがちですが、「その発言によって、どのような効果が生み出されているのか?」という働きが大切なのです。
同じ「働き」が得られるのであれば、手段は何だって良いとも言えます。
この考え方は、FXのテクニカル分析で非常に重要な思考です。
エリオット波動理論では何が分かるのか?
インディケーターでは何が分かるのか?
ダウ理論では何が分かるのか?
これらの複数の情報を1つにする事がテクニカル分析です。
理論や分析ツールは「使い方」です。
知識の使い方が間違っていれば、当然間違った結果になります。
知識の使い方が全てです。
物事は正面の情報より、側面や裏側の情報に本質があります。
知識は道具です。
道具は使い方で結果を変える力を持っています。
100万円というお金を美味しいご飯をたくさん食べる事に使うのか?
100万円というお金を不動産投資をする為の頭金に使うのか?
たったこの100万円の使い方だけで3年後の結果は全く異なるものになります。
道具を持つことが大切なのではなく、成功する為に大切なものは、道具をどう使うのかです。
これが分からない間は、成功というのは程遠いものになると思います。