皆さんは「逆算思考」と「積み上げ思考」という言葉を聞いた事がありますか?
逆算思考とは、まずゴール設定をして、そこに到達する為には、今何をして、どのように進めていくのかを決めて、そのプランに沿って行動していくという考え方です。
積み上げ思考は、逆算思考と逆のアプローチです。
どこまでいけるか分からないけれど、今できる事を精一杯やるという考え方です。
確かに、ビジネスやプライベートにおいて、逆算思考は多くのメリットを私たちにもたらしてくれます。
逆算思考とは、料理のようなものです。
作りたいもの、つまり作りたい未来が明確に決まっているのです。
とりあえず色々混ぜて炒めたら、こんなものができた、というわけではありません。
逆算思考には、到達したいゴールがあり、そこに向かってアクションを積み重ねていくので、道筋が明確で、行動にいつも基準があります。
例えば、カレーを作るのであれば、どんな具材が必要で、それらをどう準備して、どう調理して、どういう順番で鍋に入れていくかなどを考えます。
また、ゴールを明確にする事は、やらない事も決める事なので、無駄もありません。
東京から京都へ向かう時に、わざわざ仙台に行く人はいません。
それと同じです。
逆算思考をする事で、基準が持てるので、行動が具体的になります。
特にビジネスでは、「何を成し遂げる必要があるか」といったゴールと、その締め切りが明確に定められている事が多いので、逆算思考はとても有効です。
「これは今やらないと間に合わない」という事も分かります。
「やれない人」は逆算思考を持っていません。
ゴールを考えれないので、「なんとなく頑張れるところまで頑張りました」というように考えがちです。
ただ一方で「すぐやる人」は積み上げ思考も否定せず、時に必要だとも考えています。
どんな時に有効かというと、目標が設定しにくい時です。
自分自身での夢を持とうとしたり、目標を設定しようとしたりしても、何がしたいか分からない人が最近増えています。
その人たちの気持ちを考えれば、分かります。
夢や目標を無理に探して持とうとしても、気持ちは乗らないと思います。
今の時代はかつてないほど選択肢に溢れ、どの扉の向こうに、心から生きている事の喜びを感じている自分がいるのか、選択に迷ってしまいます。
そこで、「将来何に繋がっていくか今は分からないけど、やってみたいからやってみる」という選択肢は持っておきたいものです。
スティーブ・ジョブズさんが大学を中退して書道を始めたのは、美しいフォントを生み出す為ではありませんでした。
しかし、書道に惚れて始めた先に待っていたのが、Macの美しいフォントだったのです。
人生に芸術性をもたらすのは、「やってみたい」と思う純粋な心かもしれません。
心理学では「内的動機付け」とも言いますが、「好きこそものの上手なれ」ということわざのように、「やってみたい」「楽しい」という気持ちも大切にしたいものです。
「すぐやる人」は目標設定したものだけに取り組むのではなく、自分の気持ちに素直なので、興味を持ったものにはアクティブに取り組みます。
逆算思考はゴールから考える思考法で、積み上げ思考は現時点からどんどん歩いて行く思考法なので、逆の考え方です。
どちらかが重要なのではなく、どちらも使い分けていって下さい。