しなやかなマインドセットでダイエットや怒りのコントロールをしようとする人たちは、成功のツボを心得ています。
効果的な戦略を学んで、それを実行する必要がある事を知っているのです。
効果的な勉強法を工夫して、念入りに学習プランを立て、意欲の維持と向上に努めます。
つまり、良い結果を得る為に、あらゆる手段を尽くすのです。
しなやかなマインドセットの人は、「年頭の決意」を述べてあとは成り行き任せ、なんて事はしません。
ダイエットを成功させるには、それなりの工夫が必要な事をよく知っているからです。
家の中にお菓子を置かないようにするとか、レストランで注文するものをあらかじめ考えておくとか、週に1度だけ好きな物を食べて良いことにするとか、体をもっと動かす生活に変えるとか。
そして、成果を維持する方法もしっかり考えます。
努力の成果を水の泡にしない為には、どのような生活習慣を身につけたら良いだろうかと考えます。
それでも、失敗する時は失敗します。
しなやかなマインドセットの人はその事を百も承知です。
だから、失敗しても自分を責めたりせずに、以下のように考えます。
「この失敗から何を学べるだろうか。この教訓を次の時にどう活かそうか」。
そうやって少しずつ進歩していけばいいだけで、自分を審判にかける必要はありません。
夫婦の喧嘩を想像して下さい。
パートナーが約束を守らずに仕事をさぼると、「お前なんかの言う事にいちいち煩わされてたまるか」と言われているような気がする場面もあると思います。
硬直マインドセットの人は、そこでまず怒って相手の義務を思い出させ、それから、畳みかけるように嫌味を言います。
「自分の方が偉いと思っているのね。好きにしたらいいわ」と言われます。
そして、自分がないがしろにされているように感じるのです。
相手は、ないがしろになんかしてないとは言わずに、ガミガミ攻撃に備えて身構えてしまいました。
それを見た硬直マインドセットの人は、返事をしないのはやっぱり自分の方が上だと思っている証拠だと受け取り、怒りをますますエスカレートさせます。
こんな時どうすれば良いでしょうか?
重要なポイントはいくつかあります。
まず、相手はなぜ、あなたが怒るのかが理解できていません。
だから、何か腹立つ事があったら、感情的にならずにその理由を説明する必要があります。
「あなたにそんな風にされると、なぜだか、自分がないがしろにされているような気がする。私にとっては重要な事なのに、そんな事どうでもいいだろって言われているみたいで」
そうすれば、相手も「ないがしろなんかにしてないよ」と答えられますし、これからはもっと注意してくれるようになります(「冗談じゃない。私の場合はそんな事しても無駄」という人もいると思いますが、率直に頼めばいいのです。「ないがしろになんかしていないと言って。これからはもっと注意すると言って」という風に)。
怒りが爆発しそうになったら、一旦部屋から出て、まず、言いたい放題の事を書き、それから、なるべく客観的な状況を書いてみます(「僕にとってこれがどれほど重要な事か、彼女は理解していないのだ」「私が怒りだしたらどうすればいいか、彼は分かっていないのだ」など)。
そして、怒りがおさまって落ち着いてから、部屋に戻るようにします。
ルールをきちんと守ってくれなくても、おおらかな気持ちでいられるようになる事も大切です。
2人で決めたルールは、相手が自分を尊重しているかどうかを試すテストではないのですから。
気持ちにだんだんゆとりが出てくると、靴下が脱ぎっぱなしだったり、ゴミの分別がでたらめだったりしても、「これは何でしょうかね」とすまし顔で言えるようになります。
そのうち、笑って済ませられるようになるかもしれません。
意志力が弱いからダメ、人間性に問題があるからダメ、と決めつけてしまうのは硬直マインドセットの仕業なのです。
マインドセットをしなやかにして、セルフコントロールの方法を色々と工夫してみて下さい。
しなやかなマインドセットの人は、失敗したらもうおしまい、なんて考えません。
失敗は、自分が可能性を秘めた未完成品の証であり、これから伸びていくための手がかりでもあるのです。