「知っている」と「できる」は違う

 

自己投資で多くの人が思いつきやすいのは、資料を取ったり、専門スキルを身につけたりする事です。

 

しかし、多くに人が資格や専門のスキルに対して間違えた考え方をしています。

 

それは、資格やスキルを身につけること自体が目的になっている事です。

 

その先のリターンという報酬を手に入れる戦略が抜けてしまっている場合が多いです。

 

成功するビジネスの基本も、会社員として高い給料をもらう人の基本も同じです。

 

鍵となる要素は、「価値」の提供です。

 

その価値を欲しい人が多くなれば、自分の報酬は上がります。

 

つまり、「需要」に対して「供給」が少ないところを選べばいいのです。

 

自分が会社の社長で、社員を雇うという立場であると仮定して下さい。

 

その時、どんな人に多く給料を出そうと思いますか?

 

「挨拶がしっかりできる」「愛想がいい」というものを思いつくかもしれません。

 

または、「仕事が早い」「営業マン」などと考えると思います。

 

しかし、一番大事なのは「価値のある仕事をしている人」です。

 

欲しい人の数と提供する人の数のバランスで、需要が大きいと価値が高くなるのです。

 

自分の給料を決めるのも同じ考え方です。

 

例えば、医師の年収が2000万で、世間的には非常に高給ですが、それも需要と供給のバランスです。

 

適切な治療はどの時代にも求められますし、今後は高齢者が増えて、健康へのニーズもさらに高まる事でしょう。

 

そのため、優秀な医師は需要は高い。

 

しかし、誰でもなれるものではなく、しかも優秀な人になると供給が少ない。

 

だから、給料が上がるのです。

 

では、自分が「そろばん」をマスターしたらどうでしょうか?

 

はっきり言って、「そろばん」ができる人を欲しがっている企業なんてありますか?

 

無いと思います。

 

という事は、需要がありません。

 

「そろばん」というスキルを持っていても、自分の価値の繋がらないのです。

 

いくら努力して時間をかけて頑張っても無駄という事です。

 

要するに、自分がその資格やスキルを取ればどれくらい収入が上がるかは、需要と供給があるかを考えたうえで、判断する事が大切なのです。

 

資格やスキルそのものがお金を生むのではありません。

 

結局の所、需要が高い価値のある仕事をして、社内には他にできる人がいないのであれば、給料が上がるのです。

 

何故なら、社会としては困るわけですから、高い給料を払ってでも引き止めたいと思うからです。

 

自己投資で何か勉強をする場合、実は2種類の学ぶべき区分があります。

 

それは、「在り方」と「やり方」です。

 

「在り方」は、人としてどういう人間であるかという事。

 

「やり方」は、あるスキルを具体的にどういう手順で使うと効果が出るかということです。

 

例えば、営業マンとして成功したいとします。

 

世の中にあふれている本には、「在り方」が書かれています。

 

こんな営業トークで契約が取れるとか、どんな外見なら信頼感が出るかということです。

 

手軽にできる手法も多いので、簡単に実践できるメリットがあります。

 

ただし、前提条件がバラバラなことが多く含まれているため、実際には使えないケースが多いです。

 

「営業トークでこんなことを話せ」という実例があっても、著者と異なるものを売っていれば、そのまま使える事はありません。

 

「やり方」だけを学んでも、かなり限定されたケースでしか使えないのです。

 

「知識」と「使い方」を知って、それができて、初めて効果が出るのです。

 

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