「意識」は、どのような対象に、どのような強度で、どのくらいの間考えているかがポイントとなります。
意識とは、「ベクトル」のようなものだと認識してください。
ベクトルを構成する要素には、「向き」「強さ」「長さ」があります。
意識の向きとは、意識の「方向性」のことです。
つまり、意識のベクトルの矢印がどこに向いているのかを表します。
人によっては、実現したい対象に向かって、一方向に向いている場合もあれば、実現したい対象以外にも気が散って多方向に向いている場合もあります。
意識の強さとは、意識の「強度」のことです。
分かりやすく言えば、「どれくらい本気で実現したいのか」という尺度です。
実現したい対象に向かって、意識のベクトルがどのくらい強いかによって、実現までの速度が変わります。
強ければ強いほど、実現速度も速くなります。
意識の長さとは、意識している「時間」のことです。
ベクトルでは、矢印の長さで時間を表現します。
実現したい対象について、考えている時間が長くなれば長くなるほど、より実現に近付くことができます。
このように意識(ベクトル)には、向き、強さ、長さという3つのポイントがあります。
つまり、実現したい対象に真っ直ぐベクトルの向きが向いており、強度が高く、またより長い時間を確保していれば、実現可能性も上がっていくということです。
反対に実現できていない人は、ベクトルの向きが散っており、強度レベルは低く、また意識する時間が短いと考えられます。
少なくとも3つの要素のうちいずれか、あるいは全てが不足しているのかもしれません。
ちなみに意識というのは、量子力学的にいうと「光子」という「素粒子」によって構成されていることが明らかになっています。
そして素粒子は、遠隔地であってもお互いに何らかの影響を及ぼすことも分かっています。
例えば、東京にいる人の意識が、北海道や沖縄、海外に住む人にまで影響を与えているのです。
「考えていたらちょうど連絡がきた」などは、分かりやすい「意識の作用」であると考えられています。
いずれにしても、意識がベクトルであると考え、その重要性を知っておくことは非常に重要です。
実現したいテーマがある場合は、その方向にしっかりと向き合い、強い意識強度を持って、長時間集中できると実現速度が増すと思います。
ただし、特定の物事に意識を絞り、常に没頭して行動するのは大変です。
それほど好きなことであっても、四六時中そのことばかり考え続けるのは、現実的に難しいです。
なぜなら私たちには、日常的に社会生活があるからです。
もちろん、偉大な功績をあげてきた偉人たちの中には、自らの生活を顧みること無く、特定の物事に没頭している人もいます。
しかし全てのベクトルを特定の対象だけに向けてしまうと、生活そのものが破綻してしまうこともあり得ます。
特に注意が必要なのは、「感情」の側面です。
多くの場合、「意識」のことばかり考えていると、「感情」がおざなりになりがちです。
気が付けばストレスが溜まっていたり、楽しめなくなっていたり、さらには家族や友人を大切にできていなかったりなど、弊害が生じることがあります。
場合によっては自分を見失ってしまう人もいます。
自分を見失ってまで特定の物事を追求するというのは、幸せという最終的なゴールに向かうことと真逆のアプローチとなり、人生の本質を見失ってしまいます。
そうならないよう、「意識」と「感情」のバランスに注意しましょう。
意識のベクトルが適切であり、かつ、感情もプラスの状態であることが、最も実現速度を高めてくれます。
感情をないがしろにしてまで、意識のベクトルを調整する必要はありません。
脳内がネガティブな感情で充満してしまえば、マイナスの反応や出来事を引き寄せることとなり、意識の効果も減少してしまいます。
バランスをとるという観点で、成功者の多くは、遊ぶのが非常に上手です。
むしろ、遊びながら仕事をしているような人もいます。
それは彼らが、感情のバランスに配慮しているからであり、それによってポジティブさを保っているのです。
楽しそうにしている人の周りには、楽しい人が集まってきます。
また、人だけでなくお金や出来事もそうです。
「楽しい」という感情を「ワクワク」と表現するなら、まさに世界中の成功者が行なってきた成功法則に合致します。
ワクワクを追求した結果、お金も人生の豊かさも手に入ったということです。
そしてその裏側にあるのは、意識の「向き」「強さ」「長さ」と、「感情」とのバランスへの配慮です。
適度に抜きながら、やるときはしっかり集中・没頭してやり切る。
多くの成功者がそうしているように、意識と感情のバランスを保ちながら、実現速度を高めていきましょう。