みなさんには、真似したい人はいますか?
いい成績を取りたいと思ったら、頭の良い人(できる人)にどうすればいいのか聞きたくなります。
しかし、実は、そんなノウハウを聞いても意味がないのです。
それよりもするべきことは、「普段どんな風に勉強しているのか、今ここでやってみてください」とお願いすることです。
何だそれ、と思う方もいるかもしれません。
何時間勉強しているのか、休憩時間は何分くらい取るのか、どのくらいのペースで問題集を解くのか、ノートはどんな風に取るのか、参考書は何を使っているのか。
全て”完コピ”するのです。
社会人の方も同じです。
例えば営業成績がとても良い人に「営業のやり方を教えて下さい」「どうやったら営業成績が上がりますか?」と相談して、アドバイスを受けても、自分自身の営業成績を上げる為の効果は少ないと思います。
それよりも、一緒に営業先へ同行して、その人がどんな風に挨拶しているか、どんな表情で相手に話しかけているのか、どんな言葉遣いで話しているのかをしっかり観察して、それと同じ行動を”完コピ”する方が、成績上昇に直結します。
完コピする時に、一番近道で効果のある方法を説明します。
それは、頭の良い人、できる人の行動を、動画で撮影することです。
そして、動画を見ながら、その人のどこに「うまくいくポイント」があるのかを見つけるのです。
「わざわざ動画を撮らなくても、(手帳などに)メモをしたらいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、動画撮影と手書きのメモは、根本的に大きく違います。
手書きのメモには、書く人の主観が入ってしまうので、自分が見たいところだけを見て、大事なところを取りこぼす可能性があります。
そのため、メモだけでは、どんなに参考できることがあっても、勉強でも仕事でも思ったように成績が上がらないのです。
一方、動画だと、普段”自分の意志では見ていない”ところまで映ります。
なので、後で映像を見ながら分析することができます。
映像を丁寧に見て、”頭の良い人”、”できる人”が何をどうやっているのかが分かったら、今度は、その行動を完コピする。
それが理想であり、一番の成功の近道です。
もちろん、何時間も動画で撮るのは難しいという人もいると思うので、具体的にどれくらい真似したらいいのかを説明します。
例えば、その人が毎朝6時に学校や会社に来るなら、自分も朝6時に来るようにします。
大体6時に来るけど、2日に1回遅刻するのなら、そこもコピーします。
そういう細かいところまで真似をしていきます。
すると、その人がやっている行動、挙動、言葉、タイミング、反復性、過剰なところ、抜いているところなど、色んなことが分かってきます。
すると、例えば自分はちょっと姿勢が悪いかもしれない、「ありがとうございます」を言うタイミングがおかしいかもしれない、といったことが分かるようになります。
ところで、「できる人の行動を完コピしてください」と言うと、恥ずかしいと思う人がいます。
そもそも誰かの真似をすることに対して、否定的な人も多々います。
「自分はその人より能力が低いのだから、できる人の真似なんかしても意味がない」と思う人が多いようです。
また「真似をするよりも、オリジナリティを出さなくちゃ」「自分の個性で勝負しないと戦えない」といった考え方をする人もいます。
しかし、それは間違っています。
そもそも、人間は一人ひとり違います。
身長も違えば声も違う、骨格も関節も違う、今までに受けてきた教育も人間性も違います。
なので、どんなに”完コピ”しようとしても、必ずズレが出てくるのです。
つまり、どんなに誰かの真似をしても、”自分らしさ”は出てしまうものなのです。
それに、基礎がない上にただ「オリジナリティ」を築いても、そんなものは見掛け倒しのオリジナリティなのです。
自分が戦うための武器にはなりません。
なので、まずは完コピするべきなのです。
完コピで、「能力を磨くための基礎」を作るのです。
完コピを徹底的にやると、必然的にオリジナリティが出てきます。
それが「個性」だと思います。
繰り返しますが、完コピにあたって大切なポイントは、その人の「考え方」「言っていること」ではなく、「行動」を完コピすること、です。
人間が唯一、他人を完コピできるのが「行動」です。
思考は、一人ひとり全く違っているので計測できません。
真似してもできているかどうかわかりません。
「完コピできたかどうか」が、はっきり分かるのは行動だけなのです。