現代の日本人は、客観的な言葉の中にも、相手からの期待を感じ取ってしまいます。
そして、「自分はその期待通りに動かないといけない」と思ってしまうような思考回路になっています。
例えば、板書や先生の言っていることをもの凄い速さで書き留めている生徒に、「字を書くのが凄く速いね」と言うと、何と答えると思いますか?
「いや、でも字が汚いんですよ」などと言います。
字が汚いとは一言も言っていないのに、その子は「字は綺麗に書かなきゃいけない。速いだけでは駄目だ。」と思い込んでいるのです。
どうしてそうなってしまうのでしょうか。
それは、現代人の多くが、何かフィードバックを受けた瞬間に「より良くなろうとする」からです。
顔が汚れていても、寝癖があっても、別に誰かに迷惑をかけているわけではないです。
でもなぜか「身だしなみは綺麗じゃないといけない」とみんな思い込んでいるのです。
だから鏡からフィードバックを受けたら顔の汚れは落とすし、寝癖も直します。
ところがずっと1人でいて、鏡も見る事がなければ、気付くチャンスはありません。
そのまま放っておくと思います。
特にそれで困ることもないからです。
ところが、”気付いたら”、つまり”フィードバックを受けた瞬間”に、「直さなくちゃ」と思います。
「自分が正しいと信じている価値観」に合わせて、身だしなみが綺麗じゃない自分を恥ずかしいと感じて、直そうとしてしまうのです。
人はフィードバックされることに弱い生き物です。
何かしらのフィードバックを受けると、自分の半生を思い出して、人と比較してしまうことも多々あります。
後悔しない人はいないので、思い出しながら、大いに後悔をすることになります。
テレビで天才少年を見れば、もっと勉強しておけば良かったと思うし、美しいモデルさんを見れば、小さい時からダイエットをしておけば良かったと思ってしまうのです。
そんなこと誰も言っていないのに、「もっと良くならないと」と、勝手に自分の半生をフィードバックしてしまうんです。
フィードバックが遅いと「後悔」に繋がるので、いつも自分の色々な部分を自分で客観的に見て、フィードバックをして下さい。
そうする事によって、大きな後悔をしない人生が歩めるようになると思います。