あくまで中立

 

「中立的なフィードバック」とは何か分かりますか?

 

上司が部下の才能を伸ばすための1番簡単な方法が、「中立的なフィードバックを、ただひたすらすること」です。

 

「中立的」とは、フィードバックにあたって、自分の価値観を挟まないことです。

 

自分の価値観を入れずにフィードバックを続けると、部下がもともと持っている「自分が正しいと信じている価値観」の通りの姿になっていきます。

 

すなわち、部下自身が抱いている理想の姿です。

 

社員の締めているネクタイを見て、「その色綺麗じゃないね」や「青の方が合うんじゃない?」などと言ったとします。

 

言われた部下は「言われた色にしないといけない」と思ってしまうかもしれませんし、あるいは「いや私はこの色が好きだからいいんです」と反発するかもしれないです。

 

否定したり、自分の意見や価値観を押し付けると、合わないと感じた人は離れていってしまいます。

 

子どもに対しても同じで、「どうして勉強しないの?」「どうして言った通りにできないの?」と言うのは、相手をコントロールするのと同じことです。

 

コントロールされることに気持ち良さを覚えることは、あまり無いはずです。

 

言うべきことは、「今日は1時間勉強したね」「○○を覚えたね」という客観的で中立的なフィードバックです。

 

会社であれば、「今日も笑顔ですね」「いつも頑張ってるね」「今日は白いシャツなんですね」という風なことです。

 

もちろん、どうしても叱らないといけない場面もあります。

 

例えば、頼んでいた書類を元に打ち合わせをすることになっていましたが、約束の時間になっても部下から書類が上がってくる気配がない・・・。

 

イライラし始めている自分に、部下が別件で何かを聞きに来ました。

 

そんな時に言ってしまうのは、「どうして、約束通りに仕事をしていないんだ?」というような言葉ではないでしょうか。

 

この場合も中立的なフィードバックをすると良いです。

 

「予定していた打ち合わせのスタート時間は?」と尋ねます。

 

これは中立的フィードバックです。

 

しかもこの質問のいい所は、事実だけを聞いて、相手に答えさせるところです。

 

上司⇔部下、発注者⇔受注者といった関係性を見た時、上司や発注者の方が力関係としては強くなります。

 

部下や受注者がミスをした場合、それに対してつい威圧的な態度を取ってしまいがちなのですが、そうやって叱っても、相手は萎縮するだけで、それによって本来の力を発揮することができなくなる可能性が大きいのです。

 

威圧的に自分の価値観や感情をぶつけても、何1つメリットがありません。

 

この場合、スケジュールが心配なのであれば、自分の方から前日までに確認をしておけば良いのです。

 

もし遅れたのであれば、いつできるのかを確認して、スケジュールをすぐに組み直し、ズレはその場ですぐに修正します。

 

遅れてしまったことは、どんなに怒ったところで変えることはできません。

 

人の才能を伸ばすのが上手な人ほど、主観的な意見を言わず、ただ事実のみを根気強く言うことができます。

 

建設的に物事を進める方を選択できるようになって下さい。

 

タイトルとURLをコピーしました