3つの誤解

 

将来のお金の不安をなくすための戦略は「若いうちに沢山稼ぐこと」、「支出を抑えること」、「長く働き続けること」、「収入の一部を投資に回すこと」の4つだと説明しましたが、全員がその通りに実行できるかというと、そうではありません。

 

なぜなら、「長く働き続ける」「収入の一部を投資に回す」という投資家的な解決策には、大きな誤解が生じているからです。

 

その誤解は、大きく分けて3つあります。

 

まず、自立する気持ちが欠けている人が少なくないことです。

 

社会全体が成立するには、「自助・共助・公助」、つまり自分が自分を助けること、家族や友人関係などでお互いに助け合うこと、そして行政による支援を組み合わせることが必要です。

 

健康で元気に働ける人は自助をベースとし、健康を失うなどで事情があって働けない人を共助や公助でサポートしていくのがあるべき姿だと思います。

 

お金は天から降ってきたりはしないので、自分たちで稼ぎ、自分たちで生活し、自分たちで将来に備えるというのが原則です。

 

「自己責任」という言葉は厳しく聞こえることもありますが、社会全体の基本は「自己責任と自立」であり、自分の人生は自分で支えるのが本来のあり方です。

 

もし、健康で働くことができるのにも関わらず、共助や公助に期待しているなら、それは自立心が足りないと言わざるを得ません。

 

これが1つの誤解です。

 

「働けるのに働かない人」までを国が助けることになってしまうと、労働人口は減り、国が滅びることになってしまいます。

 

どのような社会や国家であれ、働ける人が働いて一生懸命稼ぐことは基本です。

 

2つ目の誤解は、労働観です。

 

「嫌な事を我慢したり、意に反する事をするのが仕事というものだ」と思っている人が少なくありません。

 

確かに、苦痛が多くてストレスが溜まる仕事や、体力でなんとか乗り切るような働き方をずっと続けるのは無理が生じます。

 

「今の仕事は、70歳になっても楽しく続けられるだろうか」と、長期的な目線で考える必要があります。

 

もし、それが無理そうであれば、「どんな仕事だと続くか」「転職すべきか」「副業もすべきか」など、働き方を変えていかなくてはいけません。

 

そして最後の誤解は、国民全体の金融リテラシーの低さです。

 

日本人の50%もの人が、「投資なんて勉強したこともないし、やるつもりもない」と考えています。

 

その背景には、「投資をしたり、投資について勉強するのは悪い事だ」という強い思い込みがあります。

 

70歳、75歳と、長く働けるようにするには、「自己投資」という概念が不可欠です。

 

そして、金融庁が報告書で触れている投資は、「長期・積立・分散投資」のことであり、実はリスクの低い王道の投資法です。

 

これらは全て、投資家のように考え、投資家のように生きることで、ちゃんと理解できる問題なのです。

 

「投資」という概念を正しく理解し、自分の人生に組み込んでいけば、きっと自分の未来は明るいものになります。

 

「老後2000万円問題」は、日本にとってターニングポイントになると思います。

 

そして、そのターニングポイントの時に、自分たちがどう行動したかが、その後の歴史を決定づけます。

 

将来の不安を打ち破り、戦略的に生きましょう。

 

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