「浪費」と聞くと、無駄なものにお金を使うことだと思う人が多いです。
しかし、投資と同じでお金の話に限りません。
だらだらと時間を潰すのも浪費ですし、他人に指示された業務だけを無思考にこなしている働き方も浪費です。
つまり、エネルギーの「主体性」「時間」「お金」「決断」「運」が欠けた場合は、全て浪費だと考えるべきなのです。
コンビニなどにおける無自覚な買い物は、心の隙間を埋める行為であり、まさにこれが浪費的な行動の代表です。
それと同様に、電車に乗った瞬間にスマホを触り始めるような習慣も、「なんとなく寂しい」というのが理由ではないでしょうか。
私たち人間には、孤独を埋めるために商品やサービスに思わずお金や時間を使ってしまう「弱さ」があります。
浪費的な行動の裏には、人間的な弱さが隠れているのです。
それに打ち勝つためには、「浪費にはリターンが生まれないこと」をきちんと理解し、投資の要素を意識することが必要です。
例えば、なんとなくお金を使ってしまいそうな時、「これは孤独を埋めようとしているだけなのかな」と思い返してみて下さい。
たったそれだけでも、無意識のうちにしていた浪費行動は減ると思います。
「孤独を埋める商品」は、世の中に沢山あります。
60代、70代のシニア層は単身世帯か二人世帯の人達が多く、お金は沢山あるけど話し相手がいないような生活をしている中で、大銀行や大証券会社の人が来ると、つい話し相手になって商品を買ってしまいます。
彼らの売り物は金融商品そのものではなく、孤独を埋めることなのです。
だから、高齢者の孤独スイッチを押してあげれば、すんなりと契約に結び付いてしまいます。
これは、誰も大きな声で言わないだけで、業界内では通説になっています。
しかし、本来の意味において、正しい売り方ではありません。
一時的に孤独が埋められても、欲望と同じで、その効果は長続きしません。
心の隙間を埋め続けなくてはならず、孤独を埋める商品が溢れ、ますます人は寂しさを感じます。
そんなスパイラルは、目指すべき社会の方向性として正しいのでしょうか。
真の投資家的な思考では、「未来思考」で「長期的な得」を考えるべきであって、目先の不安を煽ってお金儲けをすることではないです。
しかし、人生において、ある程度の浪費は必要です。
24時間365日ずっとエネルギーを投入し続けるのは現実的に無理ですし、疲れ切ってしまいます。
ここで大事なのは、「浪費は浪費だ」と分かった上でやることです。
「月に1度はコンビニで好きなものを買う」「先月は大きな仕事を終えたから、今週の土日はだらだら過ごそう」という風に、浪費は「特別なこと」であると自覚してみて下さい。
そうすることで、浪費がクセになることなく、メリハリをつけて投資家的な思考にいつでも戻ることができます。
貴重な自分のお金や自分の時間、そして自分の人生を知らない間に浪費してしまわないよう、意識して2つの考えを使い分けて下さい。