投資的な考え方を「習慣」にすることが大切です。
自分にリターンが返ってくる投資という意味では、「自己投資」という言葉が分かりやすいです。
自己投資を実践する際には、次の3つのルールを念頭に置いて下さい。
①お金をかけなくてもいい(ベンチャー精神)
②3日坊主上等(脱サンクコスト)
③プロセスを楽しむ(手段を目的に)
まず、①の「お金をかけなくてもいい」について説明します。
これは、投資=お金とは限らない話です。
「お金はないけど、やる気と時間だけはある」
そんなベンチャー精神があれば、若い人であっても、学生でも、投資家のように生きることは可能です。
成功しているベンチャー起業家も、彼らはみな、初めからお金持ちだったケースは少ないです。
「お金も人脈もほとんど持っていない。けれど、情熱だけはあった」という状況から人生を切り開いていった人が多数派なのです。
「将来、お金が貯まったら何かやろう」という意識では、もう遅いのかもしれません。
次に、②の「3日坊主上等」についてです。
これから説明する全ての自己投資に当てはまることですが、「完全である必要はない」ということです。
「継続は力なり」であることは確かです。
しかし、完璧主義は時に悲劇を生みます。
投資の世界には、「サンクコスト」という概念があります。
投資したお金や時間、労力を、せっかくだから取り返したいと思う気持ちのことです。
100万円で買った株式が70万円に下がった時、多くの人は、売ることができなくなってしまいます。
なぜなら、売った瞬間に30万円を損することになり、その事実を認められないからです。
過去に向けられた100万円への執念が、サンクコストであり、それにとらわれると身動きが取れなくなってしまいます。
投資をする際、リターンを意識することは大事です。
しかし、それは常に「未来に向けられたもの」です。
サンクコスト的な判断は、私たちの日常でも遅いかかります。
「今の会社にいても成長しない。でも、ここで辞めてしまったら、今までの苦労が無駄になる」
「10年前にボーナスを奮発して買ったスーツ。型が古くなったけど、勿体ないから着続けよう」
このように、サンクコストにとらわれてしまうと、現在の価値が見えなくなり、賢く判断する感覚が鈍ってしまいます。
そうならないためには、常に未来志向で、「今」を判断基準にすることです。
70万円の株価が落ちて、さらにそれ以上、下がると判断したら売る。
今の会社でこれ以上の成長がないと判断したら転職する。
今の時代に合ってないスーツは早く捨てて新しいものを買う。
そのように、「今」を軸にして考えるのです。
自己投資をする場合、一度始めたのだから毎日欠かさずやらないといけない、と力を入れて考えなくてもいいです。
3日坊主上等です。
過去にとらわれず、今を判断軸にして下さい。
最後に③の「プロセスを楽しむ」についてです。
投資という行為にはメリットがたくさんあり、サラリーマンにとってはスキルを磨く手段になりますし、目に見えない資産を増やすための手段にもなります。
しかし、その行為自体を「目的」として楽しめることこそがベストな考え方です。
例えば勉強をする時、もちろん受験の合格や資格の取得が目的になります。
しかし、勉強そのものに楽しみを見出し、学ぶこと自体が楽しめると、勉強した内容が血肉となり、学びの効果は加速します。
そうなれば、まさに最強の状態です。
長期的に成長するためには、プロセス自体を楽しむことが一番です。
人は楽しいからこそ熱中して意欲が湧き、続けることができるものです。
結果や効率にこだわり過ぎず、プロセス自体を楽しめることを優先して下さい。