昔話はしない

 

意識的に「年下」とも付き合うようにして下さい。

 

若いうちは教えを請うほうが多かったと思いますが、今度は教える側に積極的に回るのです。

 

自分の時間を使って「教える」という行為はリターンが少ないことだと思うかもしれませんか、そんなことはありません。

 

自分の身になるということは、相手に説明ができて、伝えることができることです。

 

感覚でわかっていることも、いざ言語化しようとすると難しいものです。

 

スキルや能力は自分だけで囲い込まず、積極的に伝えるようにして下さい。

 

年下世代が何を面白がり、どんな不安を感じているのかを知ることは、仕事でもプライベートにおいても役立ちます。

 

そして、年下世代と交流する際には、NGワードがあります。

 

それは、「自分の若い頃はこうだったから」といった、「昔のほうが良かった」論です。

 

昔と今を比較して、今の良い所を見つけるのであれば構わないのですが、逆の思考は危険です。

 

投資家的な考え方は、常に「未来」を見ています。

 

過去より今、今より未来。

 

確実に世の中は成長していると信じることが投資家的な生き方です。

 

「昔は良かった」と、過去を美化して話したくなる気持ちは分かりますが、ぐっとこらえて下さい。

 

目の前の若い人も「同じ時代の人」として生きていることを忘れないようにして下さい。

 

アーティストやアスリート、芸能人、映画監督などで成功を収めた一流の人たちは、業界を超えて高い次元の会話ができると言います。

 

どんな業界でも、1つのことを突き詰めると、共通点や法則などの「同じ景色」が見えるのかもしれません。

 

そして、そうなって初めて、相手と「対話ができる」のです。

 

業界や属性を超えて「共通点」を見つけたり、「共感」をする、これこそがコミュニケーションの本質です。

 

定年を迎えた男性は、家に閉じこもったり、外に居場所がなくなる人が多いようです。

 

それは、会社の中でしか人間関係を築いてこなかったからです。

 

会社の名刺を失った瞬間に、ただの1人の人間となって外に放り出されます。

 

そうなってから、他者と一から関係を築いていくことは難しいです。

 

定年後でも「私は〇〇社の部長だった」など、過去の肩書きにしがみつき、相手をマウンティングする人もいます。

 

そうなってしまっては、もう自分の人生を生きることができません。

 

業界人という言葉もありますが、それぞれの業界には独特の「業界臭」というものがあります。

 

その業界でしか通じない考え方や習慣、風習が、いつの間にか個人にも染み付いてしまうものです。

 

似た者同士は、お互いにすぐに理解し合えるので、コミュニケーションコストが低くなります。

 

ある意味合理的ですし、効率的でもあるのですが、常識や前提があると、コミュニケーションに付加価値やイノベーションが起きにくくなります。

 

イノベーションというと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、先日も述べたように、「付き合う人を変えると人生が変わる」のです。

 

自分とは思考パターンや行動パターンの異なる人と会うことで、自分の思考や行動に変化が起こります。

 

そういったコミュニケーションをするようにして下さい。

 

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