私たちの行動を司っているのは、顕在意識です。
モノを思考する、言葉を発する、決断する等、普段私たちが意識的に使う脳の3%を「顕在意識」と言い、そしてコントロールが難しい無意識の領域を「潜在意識」と言います。
行動を司る顕在意識に対して、生命の維持活動や人間の習慣を司っているものが潜在意識です。
この潜在意識は20世紀初頭、心理学者のフロイトという人によって、その存在を発見されました。
この潜在意識には4つの特徴があります。
①人間で言うところの善悪の判断ができない
②「私」と「他人」を区別できない
③訂正するまで、入った言葉をストップできない
④時間を認識できない
という特徴を持っています。
自分の無意識に発する言葉が、そのままダイレクトに貯蔵される仕組みになっているのです。
人間の習慣や無意識の癖、行動パターンはこちらの潜在意識のゾーン担当です。
潜在意識は言わば、全ての言葉や映像、そして感情のパターンをストックする倉庫のようなものです。
潜在意識は無防備な所があり、自分自身の口から出る言葉に純粋に反応して、無条件に従います。
潜在意識は「かしこまりました」と常に言っているのです。
自分が「スッキリ爽快だ」と口に出せば、その言葉通りの爽快感を実感できるよう反応して、「疲れが取れない」と言えば不快感や疲労を実感できるように、悪い化学反応を促します。
人間的に言えば、前者が理想で後者が避けるべき事ですが、潜在意識にはそのような人間的な感情は全くありません。
潜在意識は、気分や体調だけではなく、人生のあらゆる場面において、私たちが無意識にやるべき事全てをコントロールしているのです。
例えば、「私は人を信じない」という主義の人がいるとします。
その人は実際にいつもそう言葉に出しています。
するとどうなるでしょうか?
当たり前ですが、その人は信頼できる誠実な人と出会う機会に恵まれません。
例えそうした人がいたとしても、潜在意識がそこに近づかないように、無意識に働きかけるのです。
逆に、信頼の置けない不誠実な人と出会う機会は、潜在意識がものの見事に拾います。
そして、そういう人と交流を持つ事で振り回されて、「ほら、やっぱり人は信用できない」と自分が口にした通りの事を現実化させ、そして記憶を強化していくのです。
「私は男運が悪い」と口にする女性は、「どうせ人生はこんなもんだよ」と口にする人、こういう人も全て同じように潜在意識はその通りの人生を創ります。
こういう人は、自分が普段発しているマイナスの言葉を極力言わないようにするだけで、とても効果があります。
いい人に恵まれたいなら「私の周りの人は皆いい人だ」「私の周りには、信頼できる人がたくさんいる」と言い続けていると、現実にその通りになっていきます。
潜在意識は自分自身が口にしたどんな事でも、その言葉の意味を読み込み、無条件に従います。
そして、気が付かない内にゆっくりと、その言葉通りの現実に創り変えていきます。
という事は、自分の運命は、誰でもなく、自分自身が発する言葉が決めているという事は理解できると思います。
しっかりと覚えて頂きたいので繰り返しますが、潜在意識は誰よりも自分に忠実です。
口から出た言葉は良い悪いではなく、無条件に従います。
その結果が良いものであるかどうかの善悪は関係なく、無条件に従ってしまうのです。
私たちの心の中には、誰よりも自分に忠実な注文取りがいます。
その目に見えない注文取りは、いつも自分の思いを聞き、オーダー通りのものを自分に提供しています。
注文取りはとても働き者です。
その人が本当に願ったものを24時間エンドレスに探しています。
どんな手段を使っても、願いを叶える要素を集めてくるのです。
「これをやりたい」と言った後に「やっぱり無理だ」と言うと、注文取りは「やめるんですね。はい、かしこまりました」と言って「無理」になる情報を自分の所に持ってきます。
「やる」と決めたら信じて疑わない人、もしくは決めた後に言ったことをすっかり忘れてしまう人。
この人たちは「絶対にやる」をオーダーした事になります。
注文取りは、当然いつものようにこう答えます。
「かしこまりました。うまくいく方法を集めてまいります」
こうして注文取りは、何が何でも叶えさせる情報をかき集めてくるのです。
試しに「私は幸せだ」と先に口に出してみて下さい。
この言葉を口に出すと、次に自分の脳は必ずこういう言葉を発信し返してきます。
「かしこまりました。幸せになる要素を集めてまいります」
逆に、「あー、嫌になる」と口に出すと潜在意識はこう答えます。
「かしこまりました。嫌になる要素を集めてまいります」
「気のせい気のせい」「ありがたい」「いい勉強になった。だから次は大丈夫」等、こうした言葉を味方につける事で、自分の周りのうまくいく理由を、注文取りがどんどん集めてくるようになります。
最後まで目標を達成していく人は簡単に表現すると「できる」と思った回数が「できない」と思った回数を上回った人です。
諦める人は「無理だ」の回数が上回った人なのです。
そう考えると、上手くいく人とは特別な人というわけではなく、自分を信じる力に長け、プラスの言葉で目に見えない注文取りを上手く使う事ができる人のことなのです。
この注文取りこそが、自分の潜在意識です。
潜在意識は言葉を司令塔として忠実に動きます。
プラス言葉を常々使っていれば、潜在意識が、良い未来を実現するための具体的な情報を、マイナス言葉を常々使っていれば、不幸な未来を実現する為の具体的な方法を引っ張ってきます。
言葉が思考を変え、思考が行動を変え、行動が未来を変えます。
つまり、言葉が未来を変えると言っても過言ではありません。
日頃から言葉に気を付けるようにして下さい。