連想の確立

 

意識する、しないに関わらず、私たちの行動は、様々な経験から得た苦痛や快感に支配されています。

 

みなさんは、物事にどのような意味づけをしていますか?

 

まだ独身なら、結婚を人生の墓場と見ているか、それとも生涯の相手との楽しい冒険を夢見ているか。

 

今晩の夕食をただの「栄養補給」と考えているか、一口一口味わう「至上の楽しみ」としているか。

 

人間の行動は知的な計算ではなく、苦痛と快感という「本能」によって決まります。

 

これは否めない事実なのです。

 

「自分は感情ではなく理性に従って行動している」と考えたがる人は多いですが、実際は思考と結びついた感情や感覚に動かされていることがほとんどなのです。

 

例えば、ダイエットをしばらく続けていると、空腹という苦痛に耐えられず、ついに食べ物に手を出してしまう。

 

そして、自己嫌悪に陥ることになります。

 

人間は、快感を得ることよりも、苦痛を避けることの方を重要視することを忘れてはいけません。

 

意志の強さだけで食べ物の誘惑に打ち勝とうとすれば、ダイエットは決して長続きしません。

 

それは、「高カロリーの食べ物を断つのは苦しい」という連想が相変わらず存在しているからです。

 

ダイエットの成功には、まず「高カロリーの食べ物は身体に良くない」という連想を確立して、食べる気さえ起らないようにして、さらに「栄養価の高い食べ物が好ましい」という連想を確立しなければいけません。

 

健康で痩せている人は、「スリムな身体を維持することに勝る喜びはない」と信じて、健康に良い食べ物を味わっています。

 

量が多ければ食べ物を残すことも、「自分で食べる量をコントロールしている」ことが実感できて、かえって快感なのです。

 

タバコと縁を切りたい時も全く同じです。

 

禁煙しようと思ったら、「喫煙は苦痛であり、禁煙は快感である」という連想を確立すれば良いのです。

 

これは今すぐにでもできることですが、多くの人が「禁煙はつらそうだ」と思っているので、なかなかタバコと手を切れないのです。

 

苦痛と快感をそれぞれ何と結びつけるかで、一瞬にして行動は変えることができます。

 

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