脳の使い方

 

人並み外れた才能を持った人を見ると、「なんて運がいいんだろう。生まれつきそんな力が備わっているなんて」と思う人が多くいます。

 

しかし現実には、最新のコンピュータよりも速くて大容量で高い性能を持つ「脳」を、全ての人が等しく持っています。

 

ただし、インストールされているアプリやデータの使用法が分からなければ高性能のコンピュータも宝の持ち腐れになるように、脳も正しい使い方が分からなければ同じことになります。

 

そして、「脳」を適切に使うための鍵が「質問」です。

 

どういう質問をするかで、人の性格さえも違ってきます。

 

例えば、いつも憂鬱な人は、いつも気分が滅入るような自問を繰り返しています。

 

これでは、感動的な経験はなかなかできません。

 

しかし、こういう人でも、一瞬で感じ方を変えることができます。

 

”質問の仕方を変える”だけでいいのです。

 

落ち込むのは、世の中が嫌になるような質問を自分に投げかけているからです。

 

例えば何か仕事を与えられた時、「こんなものに何の意味があるんだ。努力しても無駄だ。なんで私が」と思ったとします。

 

こんな時も、脳は律儀に答えを返してくることを忘れないで下さい。

 

「どうしようもない質問」をすれば、「どうしようもない答え」が返ってきます。

 

つまり、「どうしてうまくいかないんだ」という問いを投げかけられると、正しい答えなどない場合でも、脳は「馬鹿だからだよ」「それだけの器量がないからだよ」と答えをでっち上げて返そうとするのです。

 

人間関係から年収まで、人生のほとんど全ては質問によって決定づけられます。

 

例えば、人間関係でつまずく人は、相手のことを疑うような質問ばかり思いつきます。

 

「この世には、もっと素晴らしい女性がいるのではないか。彼女と付き合っていたら、運命の出会いを逃してしまうのではないか」

 

そんな質問ばかりしていたら、何も前に進みません。

 

そうではなく、「私は妻のどういう所が好きなんだろう。2人で生きていけば、どんな豊かな人生になるだろうか」と自分に問いかけてみるのです。

 

落第生だったアインシュタインが偉大な思想家になり得たのも、明確かつ系統立った質問を自分に投げかけていたからです。

 

初めて時間と空間の関係を解き明かそうとした時、アインシュタインは「一見、同時に起こっているように見える現象が、実際にはそうではないということがあり得るだろうか」と考えました。

 

例えば、数キロ離れた所から衝撃音が聞こえてきた場合、実際に音が発生した時刻と音を聞いた時刻は一致しません。

 

また、「きれいな女の子と一緒にいると、1時間が1分のように感じられるが、熱いストーブの上に座らされると、1分が1時間のように感じられる」ものですが、アインシュタインはこの考え方を物理の世界にまで発展させ、相対性理論を打ち立てたのです。

 

アインシュタインが自分に投げかけた問いは、単純です。

 

しかし、とても効果的でした。

 

同じように、簡単で効果的な質問によって、自分の才能を発揮して下さい。

 

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