盲目

 

人間には、驚くべき「削除機能」が備わっています。

 

私たちの身の回りでは、絶えず色々なことが起こっていますが、私たちはある特定のことだけに神経を集中させることができます。

 

人間が一時に精神を集中させて「意識的にできること」はそう多くありません。

 

つまり脳は、何を優先すべきかを考えながら、何を無視するか、何を「削除」するかを一生懸命判断しているのです。

 

例えば、「君も僕と同じで、このプロジェクトにはうんざりだろ」と言われると、脳はプロジェクトのうんざりすることに焦点を当て始め、面白い部分は意識から削除してしまいます。

 

すると、プロジェクトの嫌な所が目につき始めて、本当にうんざりした気分になります。

 

一方で、「このプロジェクトはすごい。これが成功すれば世の中が変わると思いませんか」と言われれば、退屈だと思っていたプロジェクトを見る目が変わるかもしれません。

 

つまり、「人の目には探しているものしか見えない」ということです。

 

腹が立った時は、「二度とこういうことが起きないように、この失敗から何を学べばいいのか」と自問自答するのが一番いいです。

 

問題そのものに目を奪われるのではなく、失敗を二度と繰り返さないための新たな可能性に目を向けさせてくれるからです。

 

例えば、会社が赤字に転落した時、周囲の人は口をそろえて「破産申請をしろ」と言ってきます。

 

どの部門から売却するか、従業員には誰が話すのか、ということを真っ先に聞いてきます。

 

そんななかで会社が続いていくには、周りのアドバイスに耳を貸すのではなく、「どうすれば会社を建て直せるか」と自問することです。

 

そしてその次の質問は、もっと事態を前向きに捉えたものにするのです。

 

「会社を建て直し、もう一段レベルの高い、今まで以上に影響力の大きな会社にするにはどうすればいいか」

 

よりよい質問をすれば、よりよい答えが返ってくるはずだと信じているからこその質問です。

 

とくにビジネスの世界では、質問によって新しい世界が開けたり、思いがけない自分の能力に気づかされたりすることがあります。

 

自分はどういう人間で、どういう能力があって、夢を実現するために何をするつもりなのか。

 

そういう質問が、みなさんの人となりを作り上げていくのです。

 

忘れてはいけないのは、思い込みのせいで、するべき質問をしないままになってしまうことがあるということです。

 

周りの人から「絶対に無理だ」と言われれば、「どうすれば立て直せるか」という問いかけをやめてしまう人も多いと思います。

 

限定的な質問に終始していると、答えも限定的なものしか出てきません。

 

よい質問をし続ければ、必ず良い答えは得られます。

 

「自分にできることは何か」だけに意識を集中させて、質問を考えて下さい。

 

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