入社3か月で三流の仕事の姿勢が身についてしまった人は、生涯を通じて三流のままです。
なぜなら、緊張感が保たれやすい最初の3か月間でさえ三流に甘んじてしまったら、緊張感が弱まるそれ以降はどんどん妥協に慣れて、下り坂の人生が確定するからです。
これに対して入社3か月で一流の仕事の姿勢が身についた人は、生涯一流として輝ける可能性が高いです。
なぜなら、人はいったん一流の世界に慣れると、自分の視界に二流や三流が入ることが耐えられなくなるからです。
文字や言葉では正確に表現しにくいですが、一流以外のものが近付いてくると、大きな違和感を抱くようになるということです。
ここで大切なことは、大企業に入れば一流の仕事が学べる訳ではなく、中小企業に入れば三流の仕事しか学べない訳でもない、という事実です。
企業の規模やブランドに関係なく、自分自身が「この人はとても厳しいが、仕事は間違いなく一流だ」と感じた相手にしがみつき、学んでいくことです。
仮に本当に厳しい人だったとしても、たった3か月間の辛抱でいいのです。
もし自分の入社3か月間の仕事を振り返って、「三流としてのん気に過ごしてしまった」と思った人がいても大丈夫です。
今この瞬間から気持ちを入れ替えて、一流の先輩から3か月間徹底的に学べば良いのです。
必ずしも社内の人材に学ばなければいけないということはありません。
自分で費用を出して、外部講師に教えを乞うのも良い方法だと思います。
とにかく、無心に学び続けることが大切です。
それにより、一流への階段を確実に上がることができます。
三流の姿勢のまま、仕事をしたつもりになってはいけません。
一流の仕事の洗礼を受けて、一流の仕事人になって下さい。
いざという時に自分を救ってくれるのは、初歩と基礎の盤石さです。
仕事と勉強の共通点は、初歩と基礎が大切であることです。
勉強の初歩とは、教科書の内容をマスターすることで、基礎とは、教科書ワークの問題がスラスラ解けるようになることです。
これら初歩と基礎が盤石でなければ、その先の勉強は意味を成しません。
なぜなら勉強とは積み重ねであり、初歩と基礎が完璧にマスターできていなければ、応用問題は永遠に解けないからです。
応用問題の解答・解説を読んでも、初歩と基礎があやふやなままでは理解ができません。
初歩と基礎が盤石な場合に限り、応用問題の解答・解説を読めば何とか理解できます。
基礎問題の解答・解説を何度も読み込み、自由自在に解答できる状態になって初めて、ようやく応用問題が自力で解けるようになるのです。
勉強の例だと誰でもすぐに分かると思いますが、これが仕事となった途端、多くの人がフィーリング、クリエイティビティという言葉に逃げ始めます。
初歩と基礎が疎かな人の発するフィーリングやクリエイティビティなどの言葉は、素人の知ったかぶり以外の何物でもありません。
仕事における初歩と基礎とは、業種業界によって違いはありますが、プロとして当然知っているべき「型」のようなものです。
いつまでも型にとらわれてはいけませんが、型を習得していない人はプロからは相手にされません。
例えば経営コンサルタントの仕事なら、企業の財務諸表がスラスラと読めたり、自分の専門とする業界の粗利率を即答できたりするのが初歩です。
そしてその業界の売上げや利益率をアップさせる典型的な戦略と戦術を、1分以内に10個ほど列挙できるのが基礎ということになります。
この初歩と基礎が骨の髄まで染み込んでいない部下を、上司は恥ずかしくて顧問先に同行させることなんてできません。
そしてそれら初歩と基礎がいくら完璧だったとしても、顧問先からは「そのくらいは当たり前」と笑われます。
しかし初歩と基礎が盤石であれば、経験を重ねるうちに、相手に屈することなく、何とかやりあえる知的体力を獲得していけると思います。
探偵小説などでよくありますが、大抵の場合、難問を解決する突破口は、主人公が初歩と基礎に立ち返る場面で出現します。
長い間未解決だった難事件が、誰も気に留めなかった子どもの素朴な証言に気付いた途端、一気に解決したりします。
何かに行き詰ったら、初歩と基礎に戻ってみて下さい。
困難を突破できる知恵を必ず得られます。