人生において、「勝ち負け」を意識することは、とても大切です。
一人前になるまでは、他人に勝つことで成長を目指すべきです。
そして、一人前になってからは、自分自身に勝つことが大切です。
一人前とは、プロとしての最低基準をクリアしたレベルだと考えて下さい。
決してお金持ちではないかもしれませんが、(もし家族がいれば家族を養って)何とか食べていける状態です。
これは、プロスポーツ選手を見ていればわかりやすいはずです。
学生レベルの試合では、まずはライバルに勝って目立たない限り、プロの世界から注目されることはありません。
だから何としてもライバルに打ち勝って、目立つべきです。
プロになるまでは、自分と闘っている場合ではありません。
それは、よほどストイックな人でないと、単なる”逃げ”でしかなく、プロになる道は遠ざかっていくばかりです。
ところが、一度プロになって活躍の場を与えられたら、話は変わってきます。
自分の勝ちやすい土俵を見つけて、得意分野の技術を常に向上させて、その土俵で勝ち続けていかなければ、一瞬で干されてしまいます。
そこで超えるべきはライバルではなく、昨日の自分です。
つまり自分自身なのです。
綺麗事は抜きで、これがプロの世界です。
ライバルになりそうな人がいたら徹底的に調べ尽くし、何が何でも彼らに勝つための戦略を練って下さい。
そして、狙い通りにその戦略が成功した次の瞬間、他の人には無関心になるのです。
その落差に、周囲も呆れ返るほどです。
これが、自分のライバルが自分自身になる瞬間です。
ライバルが自分自身になるというのは、決して楽になるということではありません。
むしろ他人に勝つよりも、自分に勝つほうがハードルは高いです。
自分のミッションに、昨日よりも今日、自分は近付けているのか。
「今日の自分は、昨日の自分に勝てているだろうか」
こうやって自問自答しながら、毎日を真剣勝負で過ごさなければいけません。
かつて、ピカソは自分の栄光をすべて破壊して、次々に新しい世界を切り拓きました。
彼は間違いなく、他の誰かではなく過去の自分、昨日の自分と闘っていたはずです。
昨日の自分と闘った結果として、世界で最も有名な芸術家となったのです。
みなさんも、みなさんの土俵では何かのプロのはずです。
一流を目指すのであれば誰よりも高い志を立てて、昨日の自分をライバルにして下さい。
「自分と闘う」などと言っていいのは、プロになった人だけです。
まずは全力で、ライバルたちに勝って下さい。