「上司は私の頑張りを評価してくれない」
「努力しているのに年収が上がらない社会のシステムはおかしい」
この「私は頑張っている」「私は努力している」というセリフは、使ってはいけない言葉の代表例です。
そもそも、「頑張っている」「努力している」とは、自分以外の誰かを評価する時に使う言葉であって、自分で自分を評価して他人に主張する言葉ではありません。
例えば、自分が1日50件の営業電話をかけて、「自分は努力している」と思っていても、他社のトップ営業マンは1日100件かけているかもしれません。
1日12時間働いて、「こんなに頑張っているのに年収300万円はおかしい」と不満に感じていたとしても、他業界にいけば、1日16時間働いて「まだまだ」と思っている人もいるかもしれません。
つまり、自分は努力していると思っても、世の中には自分よりも圧倒的な努力をしている人が沢山いるのが現実なのです。
そうした人のことを知らずに「頑張っている」と言うのは、おかしいと思いませんか?
基本的に、他人は結果のみで判断し、プロセスでは評価してくれないものです。
どんなに素晴らしい意見を持っていても、それを発信しなければ、何も考えていないのと同じです。
どんなに沢山の勉強をしても、それが社会への貢献や自分の収入に活かされなければ、何も学んでいないのと同じです。
とくに仕事では、結果を出してこそ、そのプロセスを讃えられるものです。
努力が評価されるのは学生までであって、結果が出ていないのに他人に「頑張ったね」「よく努力したね」と言われたら、大抵の場合、慰めでしかありません。
例えば、みなさんが部下や後輩から「私だって頑張っています」「それなのに、なぜこの評価なんですか!」と言われたら、どう感じますか?
「気持ちは分かるけど・・・」と鬱陶しく感じるか、「誰と比べて言ってるの?」と呆れるのではないでしょうか。
本当に認められる人というのは、自分の評価は他人に委ねて、結果で勝負します。
結果で勝負するということは、全てが自己責任であることを受け入れる、ということでもあります。
だから不平不満も言わず、目の前の仕事に集中するのです。
結果が出なかった時は潔く認め、次への糧とします。
そうした姿勢は、周囲からは頼もしく見えます。
言い訳をせず、責任を取れる人だと映ります。
プロセスを評価してもらおうとするのはやめて、アウトプットに注力して下さい。
「プロセスはどうでもいい」ということではありません。
「自分は頑張っている」を捨てて、結果にフォーカスするための姿勢とは、まず「結果から逆算してプロセスを考える」ことです。
「このような結果を得たい。そのためにはこういう手を打つ必要がある」
「もし思うような結果が出なかったとしたら、打ち手が間違っている」
という発想です。
そうして、仮説検証サイクルを何度も繰り返して下さい。
上司や同僚、部下からもアイデアを集めて、助言を得て、考えられる手は全てやってみて下さい。
周囲が「そこまでしなくても・・・」と引いてしまうほど、試行錯誤してみて下さい。
それでも集まらなかった時に初めて、「すみません、自分の力不足です」と潔く自分の罪を認めるのです。
そんな姿を見て周囲は、「あそこまでやったんだから、気にしないでいいよ」と努力を認めてくれます。
「自分は頑張っている」というアピールは捨てて下さい。