ビジネスで成功している人の中には、「友達は少ない」と豪語する人が少なくありません。
年収1億円以上の起業家は、「友達は数人くらいかな」と言いますし、やはり1億以上稼ぐネット起業家は、「友達は片手で数えられるほど」とのこと。
日本有数のラーメンチェーンの創業者は、講演で「俺は友達なんていない」と大真面目で語ってました。
そこには、一般人が理解しがたい思考と感性を持っていることもありますが、根底にある強烈な目標達成意識が、ただの友人と言う関係性を必要としない理由があるようです。
経営者の多くは、「話をしても合わない」と言う理由で、学生時代の同級生とは疎遠になったと言います。
古い友人との典型的な話題と言えば、昔話です。しかし経営者は昔話に興味がありません。
現在と未来しか見えてないので、過去の話をしても、なつかしいとは感じても、直接的なメリットは何もないと言う事でしょう。
もちろん、過去の栄光にすがっても、同じくメリットはない。
時折旧交を温めることは悪い事ではありません。
しかし頻繁につるんでいると、同じ昔話の繰り返し、何ら生産性がない時間となります。
愚痴を聞いてくれる友人は貴重だ、と言う意見はありますが、それらは自ら感情のコントロールができず、自分で自分のガス抜きができない人、あるいは一人で問題解決ができない人です。
そうした人は逆境やストレスに弱く、自分で自尊心を維持できません。
だからこそ、他人に愚痴を聞いてもらい、「わかるよ」と共感してもらい、自分は間違っていないと後押ししてもらい、「お前なら大丈夫だよ」と褒めてもらい、安心感を得る必要があるのです。
しかし結果を出す人は、愚痴を聞いてもらう必要がありません。
なぜなら、自分の思い通りにならないことがあっても、愚痴を言うより「ではどうすればいいか」と次の策を考え実行することの方が、優先順位が高いからです。
「経営者は孤独」と言われる理由の一つは、彼らがたいてい一人で考え一人で決断するからです。
その強さが、すべてを自己責任として引き受け、周囲がどうあろうと自分の目的を達成しようとする原動力となります。
会社が成功している社長ほど、一人で考える時間を確保します。
急成長する若い会社でひずみが発生しやすいのは、多忙過ぎて社長が一人で考え抜く時間が確保できなくなるからではないでしょうか。
反対に、一人で行動できない人や、いつも誰かと一緒でないと寂しいという人は、他人に合わせる志向が強いため、他人と違うことを避け、結果的に突き抜けた成果が出せなくなります。
一人で孤独しているように見える人の方が考えがしっかりしていて、友達が多く付き合いがいい人の方が、どことなく思考が浅いということです。
もちろん他人と議論することも大切で、意見を交わすことによって新たな着想が湧く、自分の考えが整理されるという効果はあります。
しかしそのような効果を得られる相手は、「凡人」の友達ではなく、自分よりも優秀な人物のはず。
たとえば「もっと儲けたい」と思ったら、賭けにつながることに時間を費やす必要がある。
「もっと成功したい」と思ったら、「どうすれば成功するか」について考える必要がある。
一人でいればこそ、そういうことをじっくり考え、自己を内省し、次の動き方・戦略を組み立てることが出来ます。
実際、何かを成そうという目的があり、集中している人には、他人とつるんでいる時間はありません。
受験勉強に必死になっている受験生。
会社を立ち上げたばかりでテレアポ営業に必死になっている起業家。
マンガや小説をのめり込んで書いている作家。
会社で企画書を一気にまとめ上げるビジネスマン。
みな一人で邁進し、他人が入り込む余地は少ないはずです。
だって、人生は短いのですから。