投資家というと、どんなイメージがありますか?
「パソコンの前で、数字のデータとグラフを分析している」
「ギャンブルのように株式やFXを売買する」
そのような「デイトレーダー」の印象が強いかもしれませんし、マンションなどの不動投資をする人を想像するかもしれません。
しかし、実際は人間的で泥臭いものなのです。
特に、主な投資先が中小企業の場合、地方まで足を運び、実際その土地を歩き回り、人に会い、直接お話をして、成長するかどうかを見極めていると思います。
よく例に出すのは、富山県にある東証二部上場の朝日印刷という会社です。
全国的にはあまり知られていないかもしれませんが、医薬品や化粧品の箱の印刷をしている会社で、この分野ではトップとなる約4割のシェアを誇っています。
なぜ大手を差し置いてシェアを獲得できているか分かりますか?
医薬品には、いわゆる薬事法という法律があり、パッケージの印刷をするのにも面倒な手続きが多くなります。
そのため、大手印刷会社はわざわざ力を入れない分野なのです。
そこに朝日印刷は勝機を見出し、リスクをとって設備投資をしています。
このような地道な成長企業は、実際に地方に調査しに行き、実態を聞かなくては気付くことが出来ないと思います。
そうして適切にリスクを取っていける人たちなのかを見極めるのです。
投資家的な見方をすると、成長のにおいを嗅ぎ分けるようになるのです。
「印刷=斜陽産業」という先入観にとらわれると、こうした成長に目が行きません。
常識や固定観念から逃されるためにも、投資家的なものの見方は必要なのです。
日本人は2つのグループに分けられると思っています。
それは、失望を最小化する人達と希望を最大化する人達です。
まず、圧倒的に多数派なのが、「失望を最小化する人達」です。
彼らは、「将来には、どうせ失望が待っている」という考え方をし、なるべく失望を少なくとどめようと、行動原理もリスクを最小化する傾向があると思います。
お金においても、「貯めておけば何とかなるかもしれない」と、不安に取り憑かれて節約ばかりするのです。
一方で、少数派なのが、「希望を最大化する人達」です。
彼らは、「将来は明るいし、挑戦した方が喜びは大きくなる」と前向きに考えられるグループです。
自分を成長させるため、そして社会に貢献するために、「自分にできることは、積極的に取り組もう」と考えます。
変化を望み、自ら進んで動き、希望を最大化するべく行動します。
このグループの人は、「何もしないこともリスクだ」ということがわかっているので、消費や投資行動にも前向きなのだと思います。