投資のエネルギーの要素の1つ、「時間」は、誰にとっても「平等で有限」という特長があると思います。
「時は金なり」という言葉もあるくらい、時間は貴重なものです。
だからこそ、日頃の使い方の意識が大切になってきます。
しかし、世の中はあまりにも「効率」や「時短」を重視し過ぎています。
投資家のように考えると、必ずしも効率性が重要ではないと思います。
企業に投資をするときの心がけとして、「時間が経つほど価値が上がるものに投資をする」という言葉を聞いたことがあると思います。
短期的に見れば、相場は上昇し、個別の企業は相場の影響を受けます。
投資をしても、ギャンブル性が高まってしまいます。
しかし、長期的に見れば、株価は収益に収斂していくので、着々と利益を積み上げていく企業に投資をすれば大きなリターンが期待できると思います。
このように「時間を味方につける」という考え方はとても重要なのです。
目先で損をしているように思われても、回り回ってリターンが得られる可能性が信じられる場合は、堂々と「時間」を割くべきなのです。
かつて日本では、女の子が生まれると、庭に「桐の木」を植えたそうです。
その子が成人して結婚する時に、その木を使ってタンスをつくり、嫁入り道具にしたと言われています。
女の子も桐の木も、数日や数年で成人したり成木になったりしません。
家族が愛情をこめて苦労を乗り越えることで女の子が成人になるように、桐の木も手をかけ続けて成木になります。
子供の成長に合わせて10年や20年をかけて大切に育てることで、最終的にタンスになる「資産」が出来上がるのです。
このように、時間をかけることで価値が増していく行為は、人間の営み全てにも言えることだと思います。
皆さんは、「1万時間の法則」という言葉を聞いたことはありますか?
1万時間をかければ、どんな人でも、どんなことでも「かなりのレベル」に達するという法則です。
天才的な音楽家やスポーツ選手も、生まれてすぐに音楽やスポーツが出来たわけではありません。
誰だって、まずは1万時間を投入してスキルを身につけることから始めます。
1つの仕事だけで食べていくのではなく、リスクヘッジとして全く別のスキルを身につけることを考えた方がいいと思います。
そうすると、1日5~6時間を5年間かけなくては、そのスキルはものにならないということです。
そう考えると、今の時間をダラダラ過ごして浪費してはいけないと思えるはずです。
投資家みたいに考えるということは、短期間で一発逆転を狙うのではなく、長期的に時間を味方につけていくことでもあるのです。