絶望するとは、「視野が狭くなる」事でもあります。
視野が狭くなれば選択肢が見えなくなり、どうしていいかわからなくなるのです。
なのでもうダメだと余計に絶望してしまいます。
しかし、1度の挫折や絶望で人生が決まるほど、人間の存在は単純ではありません。
例えば、7歳や8歳という幼い頃に子役で人気絶頂となった芸能人がその後没落する事もありますし、ホームレスから起業して会社を上場させた人もいます。
このように、人生とはほとんどの人によって山あり谷ありで、自分の身に起こったことの意味や、自分の判断の何が正しかったかは、死の床を迎えて目を閉じる瞬間にならないとわからないのです。
つまり、幸せだったか不幸だったかの判断は、死ぬときでないと分からないのです。
しかし、悲惨な目にあうと、そうした「山があれば谷もある」事が見えなくなってしまいます。
そこで、もし「絶望してもう立ち直れない」と感じたら、いったん引きこもって何もしない時間を持つ事です。
アパートの1室でもいいし、実家に戻ってもいいし、田舎に引っ越してもいいのです。
失敗して叩かれて傷ついたら、引きこもってエネルギーを回復させる事です。
会社を辞めて引きこもっても、1人孤独になっても生きて行けます。
そして時間さえかければ、誰でも立ち直る事ができます。
人生は90年もあるのですから、3ねんや5年は療養だと割り切る事です。
お金を失っても働いてまた稼げばいい。
借金でどうにもならなくなれば、自己破産して解放される事もできる。
会社で何か失敗しても、始末書と減給程度で済みます。
仮にクビになっても、また就職活動をすればいいのです。
誰かに裏切られたら裁判を起こして戦えばいいのです。
様々な逆境や挫折で傷ついても、前述のとおり引きこもりくらいで済みますが、なかなかどうにもならないのが失恋の痛みです。
恋愛感情をコントロールするのは難しく、そう簡単に割り切れないものがあります。
実際、失恋のストレスで入院する人もいるくらい人の心を傷つけます。
「こんなに好きになった人は初めて」とか「結婚するならこの人しかいない」という恋人との離別は、格別にしんどいものがあります。
しかし、これを乗り越える方法はいくつかあります。
1つは、その相手を完全に視界から消すという事です。
接点があれば悲しくなるだけなので、一切の手がかりを消してしまうのです。
相手との記憶がよみがえるようなものが一切目に入らないようにする方法です。
次はまったく逆の方法で、むしろ沢山思い出して悲しみを徹底的に味わい、悲しみつくすのも、心の傷が早く癒えます。
悲しみにも慣れてきますし、思い出すのも飽きてくるからです。
仕事に専念すれば忘れるくらいというタイプの人もいると思いますが、仕事にならないのであれば、鬱など精神疾患と称して休職が良いと思います。
そして部屋にこもり、楽しかった思い出を振り返り、たくさん泣く。
涙にはストレスを緩和させる物質が含まれていると言いますが、ストレスによって発生した有害物質を排出する効果もあるそうです。
なのでもっともっと泣けるようにするという事です。
そしてそうやって時間が経過していけば、かつての記憶は徐々にかすれ、悲しみも和らいでいきます。
人間の記憶や感情は不思議なもので、あんなに辛く悲しかった別れも、単なる「思い出」に変わっていくのです。