お金は天下の回りもの

 

「お金は天下の回りもの」と言いますが、実に含蓄のある言葉です。

 

当たり前の話ですが、お金が意識を持って勝手に動いているわけではありません。

 

お金を「これに使おう」と考えて、実際に使っている人間が回しているわけです。

 

だからこそ、回り回ってくるお金を受け取る為には、人間同士の交わり、お金の流れの中に身を置く必要があります。

 

そして人間同士の交わりに身を置くという事は、そのために自分も他の人へとお金を回す必要も、時としてあるわけです。

 

例えば、無人島にいてお金持ちになれるはずがない。

 

もちろん、無人島でお金持ちになれずとも、幸せに暮らせる人もいるかもしれないですが、現実に無人島で一生を終えたいかというと、そういう人はいないと思います。

 

やっぱり、多くの人間は、誰か他に人間がいないと、自分1人だけでは何をやってもそれほど楽しくないからです。

 

たとえリアルで他人と対面するのが嫌な人であっても、結局はツイッターなどのSNSを通じて画面の向こうにいる生身の人と交流し、楽しんでいるのは同じです。

 

そうして人間と人間の間を情報が周り、そこに喜怒哀楽が発生したりするから面白いわけです。

 

それが価値となり、お金が巡っている事を、まさに「経済」というのです。

 

そういう意味で、人付き合いに全く時間やお金といったコストを掛けたくないという人がお金持ちになるのは、絶対に不可能とは言いませんが、かなり難しいはずです。

 

結婚式のご祝儀だってそうです。

 

これも出すのがもったいないという考えの人もいるけれど、誰からどれぐらい貰ったか結構皆覚えているものです。

 

そこでケチって「なんだ、アイツ本当はそんなに来たくなかったのかな?呼んだのは迷惑だったか?」なんて思われる事こそもったいないと思います。

 

それは実際にそう思われるかどうかとは別の問題です。

 

別に芸能人でもないのに何十万包むような話でもないと思います。

 

せいぜい数万の違いで、これから先の人間関係に影響を与えるリスクを負う必要はないという事です。

 

皆さんんが持っているそのお金を手に入れるためには、皆さん自身の相応の努力や労力があった事だと思います。

 

しかし、もしお金持ちになりたいのなら、それにとらわれずに、気前良く人と付き合う必要があると思います。

 

ネットで炎上する定番の話題に、男女のデートにおける割り勘論争がありますが、私は男性がデートでご飯代を出すという行為は、1ばんささやかな自己犠牲だと思います。

 

一部の女性が奢らない男性を嫌うのは、結局それぐらいの自己犠牲もしない男がいざという時に自分を守ってくれるわけがないと思うからだと思います。

 

どれだけその人がお金を持っていても、他人の為にお金を使えない、自己犠牲ができない人に対して、周りの人もその人の為に自己犠牲しようとは絶対思わないと思います。

 

突き詰めて言えば、ビジネスをするという事は、他人の力を良くも悪くも利用させてもらう事です。

 

だからこそ、まずその人が自分から自己犠牲できる姿勢を見せないと、好循環の歯車の1回転目が回らないのです。

 

お金が人々の間を巡って、その場にいる人間を以前より、少しでもお金持ちにするためには、まず誰かが1人目になって、身銭を切ってお金を回そうと、ちょっとの自己犠牲や、ささやかな冒険を始める事がとても重要なのです。

 

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