例えば、A君とB君は、同じ有名中学校に入り、同じ有名高校に進み、同じ一流大学に卒業して、同じ一流商社のしたとします。
A君は社会に出てから活躍していますが、B君は途中で鬱になり会社を辞めてしまいました。
学歴は同じこの2人、いったいどこで何が違ったのでしょうか?
A君は、どうしてこの高校を選んだかと言うと、「将来、こういう仕事をやりたくて、その為にはこういう企業に入りたくて、その企業に入る為には、この大学に行った方が有利だと思ったので、その為にはこの高校がいいと思ったから」と答えました。
B君は、「お母さんがこの高校に行きなって言ったから。学校の先生も、ここは君に合うよって教えてくれたから」と答えました。
A君は、やりたい事があって、そこから学校も自分で決めました。
この傾向を内的基準と言います。
それに対してB君は、特にやりたいことがあったわけではなく、進学も就職も、決め手はお母さん基準、学校基準でした。
これを外的基準と言います。
内的基準だったA君は社会に出て活躍し、外的基準だったB君は社会に出るとドロップアウトしてしまったのです。
これはよくある2つの例です。
自信には、自己有能感が必要だと言われています。
自己有能感とは、行動を起こして目的を達成し、「自分はできる」という感覚の事です。
しかし、これだけでは駄目なのです。
会社に入ると皆忙しく、仕事のトラブルも良く起きると思います。
「部長、トラブルが起きました。どうしたらいいでしょうか?」
「そんなもんは自分で考えろ」
こんなやりとりは日常茶飯事だと思います。
先ほどのA君は、内的基準で育ってきたので自分で考えられます。
それに対してB君は、誰かに指示を出してもらえないと動けません。
「どうしよう」と考えているうちにまたトラブルが起きます。
そんな事が度重なって自身を失い、鬱っぽくなってしまうのです。
自信には、自己決定感が必要不可欠です。
物事を自分で決めたいという感覚です。
そして、自己有能感と自己決定感がワンセットになって初めて「自信」になるのであり、自己有能感だけでは「自信」はついてこないのです。