一流と二流との違いは、自分より立場の弱い人に対する態度に表れます。
例えば、自分より下の立場の人と初めて会った時に高圧的な態度を取る人は、どれだけ高い地位にいようが、どれだけ資産を蓄えていようが二流です。
こういった行為は、自身のなさの裏返しであり、相手から見透かされてしまうものです。
一流の人は、立場が下の人と接する時でもけっして高圧的な態度を取る事はありません。
まず相手の気持ちを理解し緊張を和らげようとします。
自分に自信があるので、いばらなくても自分の立場が揺らぐ事はないと心得ているからです。
相手からすれば、その姿勢は非常に魅力的に映ります。
人は往々にして、出会う人の地位や肩書きから相手に対するイメージを膨らませます。
そして、そのイメージからはずれる事が起こると感動を覚えるものです。
一流の人はその事を良く心得ていて、相手の持つイメージと逆のことをやります。
すると、相手はそのギャップに惹かれ、一生懸命尽くしてくれるようになるのです。
何かにつけ「私が、私が」と、自分を売り込む事に躍起になっている人がいます。
しかし、本人はいい気になってアピールすればするほど、周りの人はその人から離れていきます。
特に若くて血気が盛んな頃は、ついついこれをやってしまいがちです。
人は、アピールばかりしている人からは離れていくものだと思います。
一流の人は、特に、自分が主役ではないオフィシャルの場などで、自分をアピールし過ぎるような事はしません。
自分が話すのは会話全体の2割、多くても3割くらいにとどめます。
話過ぎてしまうと、相手に幼稚な印象を与えてしまうからです。
そもそも、一流の人は自分に自信を持っているので、自らの事を積極的にアピールする必要はありません。
一流の人は、高い位置から自分を俯瞰して見る事ができます。
自分を客観的に見る、「自己客観能力」が高く、自分の立ち位置をしっかりと把握する事ができるのです。
自分の立ち位置を、高く見て勘違いしている人は笑いものになるし、低く見過ぎていると、自身を持てず集団の中に埋もれてしまいます。
ここはぜひ、正確に見定めたい所だと思います。
「自己客観能力」が高い人は、周りが尻込みしている場面でも、すっと1歩前に出て場を盛り上げる事ができます。
例えば、プロジェクトリーダーを決める時、誰も手を挙げない中で、平然と立候補して、メンバーを盛り上げ、やる気を引き出しながら引っ張っていきます。
そして、プロジェクトが軌道にのり始めると自分は後方に回って、いつの間にかメンバーを主役にしているのです。
自分が前面に出る場面なのか、引いた方が良い場面なのか・・・、自分は今、どう動くべきなのかを見極めるのがうまい人の元には人が集まります。
一流の人は、自己主張よりも周りを立て、自分の役割をしっかりとこなし、それに徹する事の大切さを知っているのです。