目の前のチャンスに対して、やるか、やらないかを判断する時、脳は何をしているのでしょうか?
最近は、大博打を打つ事より、何ごとにもコストパフォーマンスを求めるようになりました。
自分がそのチャンスに乗った事に見合う見返りが、ちゃんとあるかどうかです。
これが脳の中で判定されています。
コストパフォーマンスを判定して行動を起こしているのは、青斑核という部分らしいです。
ノルアドレナリンを作動させる神経が、たくさん集まっている部分です。
この青斑核の活動は、大きく2種類に分かれています。
1つ目は、活用モードです。
これは、高い集中力を持って狙った獲物を捕まえる時に使われます。
チャンスだと思えば一気に集中する、というようにとてもテンションの高い活動です。
いざという時の高い集中力、という点では、非常に魅力的な機能ですが、無駄な事に暴走して突っ走ってしまったり、明らかに損をする事に没頭してしまうなどの危険性もはらんでいます。
もう1つが探査モードです。
すぐに行動を起こさずに踏みとどまって、状況をよく観察します。
いわゆる値踏みをするモードです。
先ほどの活用モードとは真逆の反応です。
慎重に事を進める時に非常に重要ですが、慎重になり過ぎて、何も行動できなくなってしまう状況も、このモードがもたらしています。
チャンスを避けてしまうのは、こちら探査モードが使われ過ぎているサインです。
この2つのモードのうち、どちらのモードが使われるのかは、脳の中の2つの部位からの情報によって決まります。
前帯状皮質と眼窩前頭皮質だそうです。
チャンスをなんとなく避けてしまう時には、かけるコストに対して得られる報酬が少ない、と脳が判断して「とまれ」と命令が下されています。
前帯状皮質によって、過去の失敗体験が強くモニターされているのです。
このままでは、本当のチャンスも目の前から通り過ぎてしまいます。
そこで、失敗した記憶を細かく分解して保存するようにしてみましょう。
失敗した、と思った時は、かなり大きな枠組みで物事を捉えていると思います。
最終的な目的が達せられなかったら失敗ですが、この失敗の中には、沢山の行為が混ざっていて、それら1つ1つがすべて失敗だったかと言うと、そうではありません。
小さな枠組みで捉えると、成功した事も隠されています。
失敗したら、「ここはできた」と、必ず1つはできた事として記憶に残してみて下さい。
どんなに小さな事でもいいと思います。
これを繰り返していると、前帯状皮質の失敗モニターが働き過ぎず、小さな成功を報酬と捉える眼窩前頭皮質の情報によって、「すすめ」と活用モードに起動されるはずです。
日頃から小さな成功の記憶をつくり続ける事で、チャンスをものにする事ができるのです。