20世紀の人口が爆発的に伸び、需要が圧倒的に供給よりも強い、すなわち、供給が追い付かないような状況においては、サービス・製品などで生産効率がとても重視されました。
つくれば売れる時代ですので、いかに効率的につくる事ができるかがポイントだったのです。
サービス・製品の生産効率を高めるには、自社はどこで戦うべきかを明確にして、その領域での学習速度を速める事が勝ちパターンでした。
これが「1つの事をコツコツやる」という日本人の得意な事とリンクをして、最強の時代をつくったのです。
しかし、今、相対的に日本で求められている事は、進歩ではなく、間違いなくイノベーションだと思います。
これは、進歩を否定しているわけではありません。
相対的な話で、進歩にしかほぼ比重がないので、バランスを取りましょうという話です。
イノベーションとは、今現在の延長線上ではなく、新しいものを生み出そうとする事です。
イノベーションは、「1つの事をコツコツやっている」中では、なかなか生み出されにくいのです。
なぜなら、新しいもの同士の統合だからです。
今までの延長線上にはないものとの統合が求められます。
1つの事をコツコツやる事は、往々にして、新しいものとの出会いがなくなってしまいやすいマインドセットです。
1つの事をコツコツとなってしまうと、「1つしかやってはいけない」となってしまいますし、ものすごい縦割り型の構造になります。
縦割りなので、横が繋がりません。
ましてや、立体的な繋がりなどは起きません。
つまり、新しいものの統合を起こすという動きを取る事ができなくなります。
21世紀の社会にあって、構造的に重要な勝ちパターンとして、知識創造の量と質&スピード重視と言われています。
より多くの知恵を生むためには、外にどんどんと開き、組織内&外部より人、もの、金、情報、データが集まってくる環境をつくる事が価値そのものになっていきます。
つまり、どんどん新しい統合を起こしやすい環境を持っている事が何よりも重要になります。
20世紀は、「1つの事を選択して、どんどん深掘りしていく事」が勝つためのパターンでした。
当時は、とても合理的でした。
大切な事は、それはそれで、今、これからがどうなっていくのかを考えて、マインドセットを変える事です。