もったいない

 

よく日本人の美徳でもあり、大事にしてきた精神として「もったいない」という言葉があります。

 

素晴らしい言葉だと思いますが、時と場合によってはタチの悪い言葉にもなります。

 

さて、皆さんは「コンコルド効果」というものを知っていますか?

 

人は、返ってくる見込みが明らかに少なかったとしても、ついそれまでにかけた費用や労力を取り返したい、少しでも元を取ろうとする気持ちを持ちやすいと言われています。

 

それをコンコルド効果といいます。

 

いわゆる経済学ではサンクコスト効果ともいわれ、簡単に言えば、「もったいない」という気持ちが強くなりすぎて、冷静な判断力ができなくなるというものです。

 

そもそもこのコンコルドは、イギリスとフランスが、1962年に共同で開発した旅客機の名前から来ています。

 

当時コンコルドの快活を続けていけば、大失敗が予測できていたそうです。

 

にもかかわらず、開発を中止してしまうと、今まで投資したお金や時間、労力が無駄になるという判断で進めていき、案の定、大赤字の失敗に終わった、という話です。

 

一点にエネルギーを注ぎ込み、「これは面白い」と思った事に、全身全霊で取り組み事ができるのはすごいと思います。

 

しかし、かなりの量のエネルギーを注いで物事に取り組む為、かけたエネルギーに見合うだけの結果が得られなかったら、なかなか立ち直る事ができない面もあるのです。

 

「引きずる人」は、結果が出ない事を悩むあまり、何ごとも別の視点から見る事を忘れてしまう事があると思います。

 

大抵の場合、うまくいかない事をやり続けても、いい結果は得られません。

 

つまり、失敗したのなら、そのまま1つの思いで突き進むよりも、「何かその労力を別の事に方向転換できないか」と考えてみる事も勉強なのです。

 

という事で、「跳ね返す人」は、コンコルド効果について違った見方をする事で、損益バランスを計算し、必要に応じて方向転換もします。

 

時には、費やした労力であっても、「もったいない」とだけ考えずに、別の事にも活用できないかも考えてみて下さい。

 

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