いい人が生きづらくなる理由の1つに、日本人が持っている美徳や道徳観念、そして常識や社会のルールを愚直に守ろうとしている点が挙げられます。
そしてそれが、本人の心をも窮屈にさせています。
同時に、周囲に対しても同調圧力をかけようとするのが厄介なところです。
いい人は、自分は正しい、良識のある人間だ、相手の為を思っているという確信があるので、自分の常識とは違う他人に我慢ができません。
彼らは、なぜ人は自分の考えている正しさを実践しないのか、なぜ自分の正義が実現していないのか、と感じてイライラします。
その為、自分とは関係ない相手であっても否定し攻撃します。
「ブラック企業は許せない」「無休で残業させるなんてもってのほかだ」などと、正義の代弁者として、自分の常識に反する人や社会を糾弾します。
そして、こういう「正義の剣」を安易に抜いては振り回す人は周囲から疎まれ、人が近寄って来なくなります。
しかし、客観的な正義なんてどこにも存在しないものです。
立場や経験、価値観が違えば、出てくる主義主張も違うと思います。
妻の正義と夫の正義、親の正義と子の正義、10人いれば10通りの正義があるわけで、どちらが正しく間違っているかなんてわからないものです。
他人には他人の常識や正義がある事を受け入れ、「そういう人もいる」と多様性を認められれば、イライラする場面を減らす事ができると思います。
逆に、もし、皆さんの意見に対していちいち嫌味を言う人や、「その考え方は間違っているよ」などと決めつけて否定してくる人がいたら、多様性を認められない正義押し付けタイプです。
こうした人に「そんな事はない」「そういうあなたが間違っている」などと反撃すると、更に輪をかけて攻撃してきます。
中にはムキになって反論してきて、何時間も説教してくれる人もいます。
彼らは宗教と同じで、自分の意見が絶対正しいと信じ込んでいます。
もはや理性ではなく意地です。
そういう人には何を言っても平行線のままです。
なので反応するだけ時間と労力の無駄だと思います。
この場合、「そうなんですか。そういう考えもあるかもしれませんね・・・」「まあまあ、人によって考え方は違うんだし」などとやんわりとぼやかしてかわす事です。
それでも相手がひるまず攻撃してきたら、逃げる事をお勧めします。
つかまったら厄介なので、「じゃ、急ぎの予定があるので」とスルーするに限ります。