私達の意識には「顕在意識」と「潜在意識」の2つがあります。
一言で言うと、私達が普段「意識」と呼んでいるものが顕在意識、「無意識」と呼んでいるものが潜在意識です。
それぞれ簡単に説明します。
・顕在意識
私達の頭の中にある絵です。
五感、つまり「見る」「聞く」「嗅ぐ」「味わう」「触れる」という感覚はすべてこの顕在意識によってコントロールされています。
顕在意識とは、私達が思い描いたり考えたりする事です。
・潜在意識
私達の技術や実力の源となるものです。
ものごとを上手におこなうちうのは、実はすべて潜在意識によって成し遂げられています。
ですから、私達は練習というものを使えるようになるわけです。
私達の顕在意識は氷山の一角のようなもので、その水面下には、誰でも大きな潜在意識の領域を持っています。
潜在意識は普段は表面に出てきませんが、私達の本質的な考え方や行動を支配しています。
私達の癖や習慣は潜在意識が動かしています。
顕在意識と潜在意識では、潜在意識の方がはるかに強力です。
「タバコが身体に悪いのはわかっている(顕在意識)のに、やめられない(潜在意識)」
「ダイエットしたい(顕在意識)けれど、美味しそうなケーキを見ると我慢できない」
このような事が起きてしまうのは、その為です。
これは「心臓よ、止まれ」「呼吸よ、止まれ」と顕在意識で強く念じても止められないのと同じようなものです。
成功哲学で有名なナポレオン・ヒル博士は「思考は現実化する」という歴史的名著の中で、人間の意識のメカニズムと、どうすれば潜在意識を自己実現のために活用できるかについて詳しく述べています。
エッセンスだけ説明すると、タイトルの通り「思った事は現実化する」という事です。
つまり「良い事」を思えば「良い事」が起こり、「悪い事」を思えば「悪い事」が起こるという事です。
潜在意識は、顕在意識が出した命令をすべて遂行しています。
それが良い結果になるか悪い結果になるかはおかまいなしに、です。
人間は五感を通じてすべての情報を潜在意識の中に取り込みますが、潜在意識は「善・悪」「イエス・ノー」など判断できずに、すべてを受け入れるという特長があるのです。
例えば、自分自身や他人に向かって「私は人の名前が覚えられないから」といつも言っていると、潜在意識は言われたとおりに反応します。
あなたが記憶の片隅から誰かの名前をたぐり寄せようとしても、思い出せないようにあえて邪魔をするのです。
なぜなら、繰り返しそう命じられてきたからです。
「私は人の名前が覚えられないから」とです。
もし、あなたが周りの人々に「私にはそれは無理だ」と言い続けていると、あなたの潜在意識はそれを言葉通りに受け止め、その望みを楽々と実現できるように気を配ります。
ですから「あんな車は買えない」「ヨーロッパ旅行なんて無理」「新築の家なんてとてもとても・・・」「私がお金持ちになれる訳がない」と言い続けているだけで、あなたの潜在意識はあなたの命令に従い、その思いを現実化するのです。