「世の中に役に立つ事をやっていれば、お金は後からついてくる」
「ワクワクする事をやっていれば、成功する」
あなたも、一度は聞いた事がある言葉かもしれません。
これは、まさしく正論です。
しかし、捉え方には注意が必要です。
周りを見回して、客観的に考えてほしいのです。
世の中の役に立とうと、一生懸命頑張っている人はごまんといます。
しかしほとんどの場合、お金に恵まれていないのです。
お金は後からついてくると信じながら、気づいた時には歳をとっている。
ワクワクする事をやるために延々と働かない人はどうでしょうか?
ニワトリが飛ぶのをじっと待っているようなもので、成功する確率は、宝くじで1億円当てるよりも難しいかも知れません。
このように、現実とかけ離れているにもかかわらず、なぜこの言葉は常識として蔓延しているのでしょうか?
「世の中に役に立つ事をしていれば・・・」
「ワクワクする事をしていれば・・・」
実は、これらの言葉は、成功者が「成功する秘訣は何ですか?」と取材を受けた際の答えとして、とても便利な言葉なのです。
頭を使わなくても済むからです。
自分が成功してきた事を論理的に検証し、そして、それを誰にでもできる法則として伝えるという面倒な事をする必要がないのです。
正論だから誰からも叩かれないのです。
しかもお金持ちにとっては、「自分は世の中に役に立つ事をやってきたから、成功した」と自己正当化も同時に出来てしまうのです。
この言葉は、凡人が怠けたい場合にも使われます。
「世の中に役に立つ事をすれば、お金が後からついてくる」という標語を唱え、やるべき仕事を怠けている人が多いのです。
「ワクワクする事をやっていれば、成功する」については、更に厄介です。
この標語を信じ込み、「ワクワクしなければ、会社は辞めればいい」という単純解釈する人もいます。
そして本当に会社を辞めてしまって、生活が成り立たない。
傍から見れば無職なのですが、それでも自分は成功すると思い込んでいる。
「ワクワク」という言葉が、現実から逃げる際の便利な表現として悪用されているとしか思えないのです。
「世の中に役に立つ事をする」「ワクワクする事をやる」というのは、成功者の自戒の言葉としては、とても意味があると思います。
「今まで自分は、名声や富が欲しいというエゴを原動力としてやってきた。しかし、これからはそれだけじゃだめだ。だから、更にお金を儲けるためには人の為に尽くそう、楽しむ事を覚えよう」という自分に対するアドバイスを、他人に対しても言っているのです。
しかし、凡人はその言葉を単純解釈し、思考停止という弊害を招いているのです。