悩み事が絶えない時には、皆さんの脳が受け取っている感覚が受動的になり過ぎています。
感覚が受動的とは、意味不明だと思いますが、私達が普段体験する感覚は、能動的なものと受動的なものに分けられ、それぞれが脳内では異なる処理がなされています。
脳に届ける感覚が、偏りなく豊かな情報になるには、自分で動いて感覚を得る能動感覚が必要です。
見せられるのではなく目を凝らす、聞こえるのではなく耳を澄ます。
自ら触って感触を確かめる、という事が必要なのです。
私達の思考は、常に体から得られる感覚が基盤になっています。
他人のせいにしてしまいがちで能動的な思考ができない時には、脳に届けられている情報も受動的なものに支配されています。
広告に目を奪われる、移動時間に音楽や学習教材を聞き流す、実物を触る事なく画面を触るだけで用が足りる。
このような環境をつくってしまうと、自分が脳や体を使っているのではなく、環境から脱却するために、日常生活の感覚を、受動的なものから能動的なものへと変えていってみて下さい。
自然と思考も能動的になり、他人に頼らなくても、自ら解決策を見つけられるようになると思います。
ミスをして上司に叱られた。
些細な挫折がある度に数日はやる気がなくなってしまって、再びやる気になるまでに時間がかかりすぎる。
そんな時には、記憶のすり替えをしてリカバリーしましょう。
脳の記憶は、ある体験をすると一旦固定されて、その体験が再検索された時に再固定されます。
この再固定をされると、記憶は強固になり、中々忘れる事ができません。
再検索される時に基準となるのが、「場所」です。
ある体験をした場所に再び行くと、その場所がきっかけとなって体験が再検索されます。
この記憶の再検索・再固定を防げば、落ち込んでいても気分を切り替える事ができると思います。
ショックな出来事の記憶を消去する研究では、脳内で再固定されるタイミングで消去できる事が明らかになっています。
記憶の消去は、正確には、すっかり消してしまうのではなく、書き換えています。
ストレスを受けた場所に居続ける事で、記憶が再固定されてストレスが再発する。
これが繰り返しされると、ストレス反応が強まってしまうのです。
そこで、ショックな事や落ち込むような事があったら、次にその場所でワクワクする事や熱中する事を話してみて下さい。
ショックを受けてからできるだけ早い段階なら、ショックな記憶は再固定されていないので、あっさりとすり替える事ができます。
嫌なことがあった場所に出来るだけ近づかないようにしていると、嫌な出来事と場所の記憶の結びつきがどんどん強まってしまい、次にその場所に行った時には強いストレスを感じてしまいます。
嫌なことがあったらあえて同じ場所で記憶をすり替える、攻めの姿勢でやる気を維持していって下さい。