「正直になれ」と言われた事がある人もいると思いますが、私達は全員が何かに正直です。
例えば、あなたが自宅にいる時です。
親しい友人が急に訪ねてきました。
「ごめん!変な人に追われて、申し訳ないけど、1時間だけかくまってくれない?」
もちろんよく知る友人です。
おそらく部屋に入れると思います。
事情を聞こうと思っていると、今度は玄関からドアを叩く音がします。
「この部屋にいるのは分かってんだぞ!とっとと出てこい!」
運悪くチェーンだけしかかけていなかったため扉が少し開きます。
人相の悪い男がそこにいてあなたに言ってきました。
「正直にあいつを出せば許してやる。とっとと出しやがれ」
さて、あなたならどうしますか?
「はい、すみません。彼はここにいます」
と正直に答えますか?
さすがにそんな事はしないと思います。
おそらく、「ここには自分しかいません。お帰り下さい」
と言うのではないでしょうか?
では、これは嘘をついたという事でしょうか?
正直さには対象があります。
ここに友人がいる事を相手に告げるのは、「状況に正直」だという事になります。
「ここにはいない」と言うのは、友人を大事にしたいという「気持ちに正直」だと言えます。
こんなふうに人は、必ず何かに正直に行動しています。
成功しない人はよく、「気分が乗らなくて」「自分らしくありません」「人から悪く見られたらどうしよう」など、成果と関係ない事に正直になっています。
気持ちは簡単に変動します。
たとえ気分がへこんでいても、もし目の前に絶世の美女がいて「カモン♪」としていたら、ほとんどの男性は元気になると思います。
成功する人は必ず、将来の理想に正直なものです。
ダイエットを例にするとわかりやすくなります。
ダイエットすると決めて食事制限をしようと思う。
しかしそこには悪魔の誘惑。
だいたい良くなろうとすると誰かが止めにくるものです。
どこそこのケーキが美味しいだの、お土産買ってきてだの、「大盛り無料ですよ」などと言ってくるわけです。
そうすると、「まあ、今日1日くらいは良いか」と、その日限りの一念発起で終わってしまうわけです。
しかしダイエットに成功する人は、痩せるという事に正直です。
痩せて夏の海でモテモテ、腹筋を6パックに割って最高の夏を、と頑張るわけです。
なので食事はタンパク質を中心にして、筋トレをして、有酸素運動をする。
別に食事制限が好きなわけではなく、痩せるという事に正直になるから、食事や行動も変えようと思うわけです。
甲子園に行く人も、東大に行く人も、会社で出世する人も、起業して成功する人も、全部一緒です。
「成功は健全な代償の先払い」という言葉があります。
今やりたい事ではなく、成功のためにやる価値がある事を先にやる事。
自分らしくやる事ではなく、理想の自分ならどうするかを選択する事。
理想のビジョンに正直なれば、必ず行動は変わるものなのです。