話が面白い人

 

「どうすれば雑談が面白い人になれますか?」と言う人がいると思います。

 

しかし、世の中に「面白い雑談」なんてものはありません。

 

「天気がいい」だとか「素敵な鞄ですね」だとか、どうでも良い内容だから雑談なのですし、その場で無言でいる事の緊張感を緩和できれば十分です。

 

一方、面白い話ができる人は、仕事を一生懸命やっている人の中にいます。

 

社会人の場合、面白い話とは本業からこぼれたものが大半だからです。

 

例えば、テレビが取り上げる人物は雑談をしません。

 

大抵何かを専門家ですし、肩書が無くても独自のテーマに取り組んでいます。

 

膨大な知識や経験の中から、相手が興味を持つように話してくれるので面白いのです。

 

そういう人でも「取材は1時間も話したのに、放送は1分だった」というのはよくあります。

 

こういう時、テレビマンは「すみません、時間の関係で少ししか使えませんでした」と謝ります。

 

しかし、実際は残りの59分の話がつまらなかったという事です。

 

面白かったら時間はやりくりして使いますから。

 

テレビ番組と普段の会話は違うと思う人もいるかも知れませんが、基本は同じです。

 

例えば、1通の企画書を書く過程では、データをあさったり、資料を読んだり、人の話を聞いたりしますが、それを全部企画書に載せるわけではありません。

 

必ず自分なりに上司なりに吟味して、大半の情報は使われずに埋もれてしまいます。

 

しかし、その時は役に立たなかったとしても、「ある目的を達成するために蓄積した知識や経験」は、第三者が聞けばとても面白いのです。

 

そこには、単純な知識だけでなく、ストーリーという軸があるからです。

 

こうした積み重ねが、その人の深みになり、会話を面白くする基盤になっています。

 

ですから、雑談のネタを身につけようと雑学本を暗記するのは、無駄な努力です。

 

体験した自身の血肉となっているストーリーこそが、面白い話なのです。

 

話が面白い人は、観察力に優れています。

 

相手がどんな事に望んでいるのか、または嫌いなのか。

 

ある話題を出した時に、相手がうんざりした顔や困った顔をしたら、素早く方向転換をしていく事です。

 

自分の話したい話題に集中して「この話、面白いでしょ?」と得意になってしまう人がいますが、面白いかどうかは会話の相手によって変わります。

 

特に飲み会での下ネタの扱いなどは要注意で、自分を落とすものか、皆が嫌悪感をもたないライトなもの以外は、辞めておく方が賢明だと思います。

 

今話そうとしている事が相手にとって興味のある話題なのかどうか、それを察する余裕がないと、いつまでも出遅れます。

 

ビジネスの現場の自己紹介では、遠い昔の栄光を話してくる人がいると思います。

 

しかし、それが相手の役に立つ情報でない限り、興味をもってもらえません。

 

行動が早い人は、むしろ相手の話をよく聞き、その情報を元に、相手にとって自分が役に立つ存在だとアピールする事を考えます。

 

必要ならば、急な話題の転換もありです。

 

目の前の相手と仕事をしたい、好かれたいと思ったら、会話を丁寧に行う方が良いです。

 

会話が楽しい人は、仕事の誘いも多くなります。

 

出遅れる人の話は、まさに「雑」談です。

 

相手への配慮を欠いては、「一緒に仕事をしたい人」という評価には結び付きづらくなってしまいます。

 

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