キツネが歩いてきました。
お腹をペコペコに減らしています。
トボトボと歩いていると、目の前にブドウの木が。
そして、そのブドウの木には、美味しそうな実がなっています。
「お!うまそうなブドウだ!美味しくいただこう」
喜んだキツネは、一生懸命にジャンプしてブドウの実を穫ろうとします。
ですが、残念ながら届きません。
諦めたキツネは、こう言って去っていきました。
「どうせあのブドウはすっぱいのさ。最初から食べようと思っていなかったからいいんだ」
これは、イソップ童話の「すっぱい葡萄」という話です。
本当はブドウが食べたかったキツネ。
でも彼は簡単には食べられない事を悟ると、さっさと諦めて、「あのブドウはすっぱい。最初から食べようなんて思っていない」と、挑戦するよりも、諦めて現状に満足する選択をします。
これを「諦めによる欲求充足」と呼びます。
諦めて満足するのだから、確かに簡単です。
挑戦したり努力をしたりする労力よりも、確実に手に入る「諦めによる欲求充足」を優先してしまう。
そうやって自分を満たしてしまっている事が、皆さんにはありませんか?
そして、これは多くの人が癖になりがちです。
もっと言えば、現状の「言いなり」になる事で自分を満足させているとも言えます。
「諦める=現状満足=状況に言いなりになっている」
というわけです。
ちなみにこの話には続きがあります。
キツネが食べるのを諦めて、そこを通り過ぎようとした時、突風が吹きました。
そして運よくブドウが目の前に落ちてきます。
「ラッキー」と飛びつくキツネ。
「・・・すっぱ~い」
なんと、本当にブドウはすっぱかったのです。
そしてキツネは一言。
「僕はすっぱいブドウが好きなのさ」
本当は甘い方が好きなのに、すっぱいブドウで満足してしまう。
このように、今目の前にある現状に満足して、それ以上行動しない思考の事を「現状満足パラダイム」と呼んでいます。
パラダイムとは、その人の思考パターンの事です。
つまり、現状に満足して新しい事に挑戦しない考え方です。
この現状満足パラダイムにはまると、抜け出すのが大変です。
何か変化するチャンスにあっても、どうせ自分にはできないし、失敗したら嫌だし、リスクを取りたくないし、リスクを取るくらいなら今のままで無理しないのが1番だよね・・・となってしまうわけです。
キツネの場合も、本当はもっと甘いブドウを求めてみたらいいはずです。
しかし現状満足パラダイムにはまってしまい、挑戦しなくなってしまっているのです。
皆さんはどうですか?
現状満足パラダイムにはまっていませんか?