思考のレベル

 

本は沢山読めばいいというものではなく、インプットの量が多ければアウトプットの質が良くなるわけでもありません。

 

多種多様な情報に触れれば価値あるアウトプットができるというなら、多忙なビジネスパーソンよりも、毎日新聞を丹念に読んでいてテレビの視聴時間も長い高齢者の方が優れているはずですが、実際そうではないと思います。

 

いくら情報を仕入れても、自分の中で加工しなければ価値を持たせる事はできません。

 

逆にインプットの量が少なくても、そこからどんな意味を引き出せるかによって、バリューを生み出す事が可能です。

 

例えばかつては、掘り出した原油からは、ガソリンを始め数種類の原料しか抽出できず、後は捨てていた時代がありました。

 

しかし精製技術が発達した現代では、プラスチックや樹脂、ゴムなどさまざまな素材に分離させる事ができ、ほとんどの成分を使い切れるようになっています。

 

レジ袋も、昔は捨てていた原油の成分を使ってつくられているので、むしろ資源の有効活用になっていると言えます(だからレジ袋を減らそうという動きによってレジ袋の生産量が制限されると、有効活用されていた原油のかすを捨てる事になり、それが果たして環境の為になるのか、という議論もあるくらいです)。

 

つまり精製技術の向上より、同じ原油から多くの副産物を得られるようになったのです。

 

これは情報も同じ事だと思います。

 

情報を洞察・加工・編集・教訓化する技術を向上させれば、書かれている言葉以外にもたくさんの副産物を得る事ができるという事です。

 

未熟な自分では1つの情報から少しの意味、少しの示唆しか導けなかったのが、思考のレベルが上がれば、もっとたくさんの意味を引き出す事ができるようになるのです。

 

ここでいう思考レベルとは、情報を切る視点の多さです。

 

例えば消費者の視点だけではなく、供給者の視点も持つ。

 

男性目線だけではなく女性目線も持つ。

 

大人と子供、学生と社会人、日本人と外国人、国民と為政者など、1つの情報からでもさまざまな切り口で取り外す事ができれば、それぞれ違った意味を与える事ができるのです。

 

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