新しい習慣を身につけるのは大変ですが、気を付けるだけなら負担が少ないと思います。
皆さんに最も気を付けて頂きたい事は、「二元論」に陥ってしまう事です。
これは白・黒、勝者・敗者、成功・失敗、有・無、善・悪といったように物事を二極的に判断してしまう考え方です。
白か黒に分けるのは分かりやすく、気分的にすっきりします。
日本でも最近では、キャリアに置いて「勝ち組」と「負け組」に分けようとしたり、「会社勤め」が「脱サラ」かといったような、二者択一の考え方が広まったりしています。
二者択一はそれ以外の可能性を切り捨ててしまう考え方です。
この思考に陥ると、異なった考え方を持つ人々と対立したり、変化が求められる際に柔軟な思考ができなくなったりします。
スポーツとは違い、世の中には真の勝者も真の敗者も存在しません。
ビジネスであれば利益額の多い方が勝者だと思ってしまいがちですが、大企業の粉飾決済などのニュースでも分かるように、利益額が多ければ多いほど良いと盲目的に信じると、目先の利益に走ったり、法律を破ったりする事態が起きます。
サブプライムローンが発端となた2008年の金融危機も、明らかにこうした「モノクロの価値観」が暴走したものでした。
お金を稼ぐためなら金融システム全体がどうなろうと知ったこっちゃないという考えが膨らみ、コントロールを失った結果、あの騒動が起きたのです。
こうした行動の極みが戦争です。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のような一神教の世界は白か黒かの考え方です。
その為、自分たちの信じる神以外は全て的となってしまいます。
アイデアを実現する際にも、こうした二元論は実現の可能性を狭めます。
身近な例を挙げれば、働き方です。
仕事に満足いかない場合、人々は「会社を辞める」か「起業する」という両極端な選択肢になりがちです。
しかし、本当はそれ以外のオプションもあります。
社費留学や部署移動が可能かもしれません。
世の中は、白でも黒でもない事がほとんどです。
目的地は同じでも、色々な行き方があります。
どれが絶対に正しいなんて事は有り得ないのです。