言葉の影響

 

皆さんは、「言霊」という言葉を聞いた事がありますか?

 

言霊とは簡単に言えば、口にした通りの現実を引き寄せる言葉に宿っている力の事で、1200年程前から日本では「良き言の葉は良きものを招き、悪き言の葉は災いを招く」と考えられてきました。

 

テキパキと行動する、いわゆる「すぐやる人」は言葉の力を信じているので、後ろ向きな言葉ではなく、前向きな言葉を意識的に使っています。

 

例えば、「できない」「だって」と言い訳する代わりに、「だから、次は」「どうすればできるか」と前向きに捉えます。

 

なぜなら、後ろ向きな言葉を使うと、行動が消極的になってしまうからなのです。

 

「やれない人」は後ろ向きの言葉を多く使い、言葉の持つ影響力に注意を払いません。

 

心理学者であるリチャード・ワイズマン教授は、言葉がどれほどの人の感情や行動に影響するかを研究したのですが、私達は触れる言葉の影響を無意識的に受けている事が分かっています。

 

ワイズマン教授は、被験者に、単語が書かれた複数のカードを正しい順番に並べ、それらが文章になるように、速く、正確に並べ替えるよう指示しました。

 

1回目の実験では、「若い」や「素早い」といった単語のカードを用意します。

 

2回目の実験では、「年老いた」や「遅い」といった単語カードを用意しました。

 

その後、ワイズマン教授は被験者の歩く速さを測定しました。

 

すると、「若い」や「素早い」という単語カードを使った1回目の被験者の方が歩くスピードが速くなったのです。

 

また別の実験では、「イライラ」とか「せっかち」といった言葉を使いました。

 

そして、カードを並び終えた被験者が実験終了の合図であるベルをどれだけ頻繁にならすかを測定しました。

 

すると、他の被験者よりも、「イライラ」などという言葉を扱った被験者の方が、はるかに数多くせっかちにベルを鳴らす事が分かりました。

 

つまり、ポジティブな言葉もネガティブな言葉も、どちらも私達の気づかないところで影響力を持っているという事なのです。

 

このように言葉には影響力があります。

 

何度も何度も前向きな言葉のパターンを繰り返す事で脳内に新しい回路が作られていきます。

 

「楽しそう。でも、今は時間がない」を「楽しそう。だから、時間を作ってみよう」。

 

「やってみたい。でも、自分にはできないよ」を「やってみたい。だから、詳しい人に聞いてみよう」。

 

これらのように、例えば、「でも」を「だから」に変えてみましょう。

 

「やれない人」はやらない理由を探すのが得意なので、無意識のうちに「でも」を探してしまう回路が出来上がってしまっているのです。

 

すると、前向きになれる場面でも、「でも」を探してしまいます。

 

だからといって「すぐやる人」は後ろ向きな言葉を使わないのかというと、そういう事ではなく、感情に素直になり、ときに感情を吐き出して気持ちのリセットをしますが、それは限定的で、普段は前向きな言葉を選択しているものなのです。

 

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