人間関係の問題は相手があるものだけに、なかなか解決するのが難しい事も多いものです。
つい、悩みも根深くなりがちです。
けれども、「欲張り」をやめると、不思議なくらい悩みがさっぱりと消えていきます。
でも、「欲ばり」って、それは一体、どういう欲の事なのでしょうか?
実は、人間関係に置いて、誰もがつい欲ばってしまいがちなのは、「皆から好かれたい」「誰にでもいい顔をしたい」という欲です。
けれども、それは無理なのです。
どんなにいい人であっても、100%皆に、平等でいい顔をする、好かれるというのは、とうてい現実不可能な事です。
ですから、無理な事を欲ばるのは、きっぱり諦める。
そして、「誰にでもいい顔」はしない。
もし、どうしてもしなければいけない時は、最短時間で済ませる。
実は、それこそが、皆さんの人間関係をよりよく変えるコツなのです。
また、よく「どんな人にもいいところがあるのだから、それを探して認める事が、他人とうまくつき合うコツ」だと言われます。
確かに、それも一見、正しいように感じます。
もちろん、どんな人にもいいところがある事は事実ですし、人とうまくつき合う事も、大切です。
けれども、「あなたにとって」と考えた時、どんな人も「いい人」かというと、それは違います。
他の人に対してどんなにいい人であっても、あなたの前ではそうでもない、という事だって、往々にしてあることなのです。
それなのに、「ああ、嫌だなあ」と思っている人に対しても、無理矢理、「どんなにもいいところはあるんだから」と自分に思い込ませて、誰にでもいい顔をしてつき合ってしまう・・・。
すると、心も体もくたくたに疲れてしまい、自律神経のバランスも乱れ、その人間関係だけでなく、心も体も調子が悪くなっていきます。
その結果、人生全てが、どんより停滞し、悩み多きものになってしまうのです。
とはいえ、人一倍、周りに気を使うタイプの人に、「いい顔ばっかりしないで」と言っても、それを実行するのはなかなか難しい事だと思います。
ですから、そういう人は、人とつき合う前に、1回「ふーっ」とゆっくり「1対2」の呼吸法をして、自律神経のバランスを整えてから、「この人と一緒に居ると自分にプラスになるのか、マイナスになるのか」という事を、冷静に見極める意識を持つ事をお勧めしたいのです。
そして、プラスの人とは仲良くする。
逆に、マイナスの人の場合は、「いい顔」も「無駄なつき合い」も最短時間で済ませる。
そうする事によって、皆さんの人間関係の悩みは、ずいぶん解消されてくるはずです。
人をプラス・マイナスで判断するというのは、一見、計算づくでずる賢い、悪い事のように感じるかもしれませんが、それはまったくの間違いです。
あなたの人生を守るための、当然の権利なのです。
ただし念のために言っておきますが、プラスというのはもちろん物質的なメリットの事ではありません。
一緒に居て心地よい人、明るく前向きな気持ちになれる人、感謝すべき人、そういう人が、あなたにとってプラスの人です。
逆に、あなたに危害を加えたり、一緒に居てもネガティブな事ばかり聞かされて、自分まで後ろ向きで暗い気持ちになってしまう人、そういう人は、あなたにとって、マイナス、あるいは無意味な人です。
人間関係は欲だけでなく、そこにジェラシーも入ってくるので、とてもややこしくなりがちです。
でも、とにかく人とつき合う時、自分にとってのプラス・マイナスの判断をして、「これは、別に悪い事でも恥ずかしい事でもなくて、自分の人生を守る当然の権利なんだ」と自信を持つように意識するだけでも、ずいぶん気が楽になってくるはずです。