入ってくるお金だけでなく、出ていくお金にも、「ありがとう」と大いに感謝して見送る事が大切です。
「またお金がなくなる」「つい買ってしまった」なんて失望感や罪悪感を持っていると、「お金が入ってくる=いい、お金が出ていく=悪い」という意識が刷り込まれていきます。
本来、お金は使うためにあるものです。
使う事にこそ、喜びがあるはずです。
試しに、自販機でジュースを買う時、コンビニで支払いをする時、外食をする時など、心の中で「ありがとう」とつぶやいてみて下さい。
1日目には、「これが買えてうれしい」という幸せな感情が増してきます。
数日で、ニンジン1本でも「地元産の有機野菜が食べられるのはありがたい事だ」「沢山の人が関わっている」などと、その「価値」を意識するようになります。
一週間ほど「ありがとう」をつぶやき続けていると、「本当にありがたいもの」しか買わなくなるという現象が起こります。
適当に買って「さほどありがたくないもの」は選ばなくなってくるのです。
「なんとなくお金を使う」のと、「価値を考えてお金を使う」。
これは、大変大きな違いです。
出ていくお金に「ありがとう」と感謝する習慣をもつと、生きる喜びは倍増します。
お金はそれを得る事が目的ではなく、価値と価値をつないで幸せを得る為の、ありがたい「橋渡し」の役目だと気付かせてくれるのです。
「幸せはお金で買えない」とよく言われる言葉ですが、幸せになる為にお金は「ある程度」、必要です。
例えば、食べる事、着る事、住む事、教育を受ける事、やりたい事を実現する事など、お金無しではできない事もあると思います。
「愛があればお金はいらない」などと言っても、お金がない事で喧嘩になったり、病気になった時に助けてあげられなかったりする事もあるはずです。
お金がいくらかある事で、最低限の欲求は満たされ、不幸になるのを防げます。
しかし、どれだけお金があっても、「まだ足りない」「もっと欲しい」と満足できないのは、不幸な事。
生活レベルが上がって、贅沢をするほど、それに対する感謝や喜びの気持ちは薄らいでいきがちです。
人生にはある程度のお金は必要ですが、お金で買えない物こそ、人生の幸せには、より重要です。
家族や友人との安心、信頼できる人間関係、持続的な健康、やりがいのある仕事、夢中になれる趣味やライフワーク、心が満たされている時間、自分を高めてよりよい人格をもつ事・・・。
心を込めて、コツコツと積み上げてきたもの、守ってきたものは、深い幸せを実感させてくれます。
大変皮肉な事に、人はお金を得る為に、このような「お金で得られないもの」を犠牲にしてしまいがちです。
幸せを感じやすい人は、自分にとっての幸せを分かっていて、「お金で買える幸せ」「お金で買えない幸せ」をバランスよく求めています。
お金を盲信せず、侮らずにいる事が、お金とうまくつき合っていく秘訣なのです。