正しい(と自分が思っている)事、つまり正論をいう時、ついきつい口調になったり、相手を追い詰めるような言い方をしたりする人がいます。
いえ、人は往々にしそうなりがちなのです。
なぜなら、相手の非に対して、「正しい事」は絶対に負けるはずがないからです。
「それって、どう考えてもおかしいでしょう」
「社会人として、当たり前の事ですよね」
「どうして、そんな事も分からないんですか?」
というように、誰もが認める正論をいう時は、必ず相手よりも高い目線になっています。
相手を正してあげよう、なんとか分かって欲しいと正義感で言っている場合もありますが、日頃のうっぷんを晴らすかのように激しい口調になってしまうのは、自分が何としても優位に立ちたいからかもしれません。
相手は自分がよくないと分かっていても、正論という武器で責められると、プライドを傷つけられ、逃げ場をなくし、最後には逆ギレしてしまいます。
正しいと思う事を意見したり、間違いを指摘したりするのがいけないのではなく、「言い方」に気を付ける必要があるのです。
正しいと思う事ほど、あえて「下から目線」の感覚で控えめに言った方が、相手は素直に聞けるはずです。
完璧な人なんていません。
誰でもミスや間違いを犯します。
「それ、間違ってますよ」とさらりと言ってくれる人、「私の間違いかも知れませんけど、~じゃないかな」などと控えめに言ってくれる人には救われます。
正しい事をいう時は、相手を傷つけやすいものだと分かっておいて下さい。
賢い人は、「正しさ」よりも「優しさ」を選ぶのです。
正論で対抗されると、高い場所から見下されている気分になるという事を十分に分かって上で、相手の事を思い「控えめに」言う事を意識してみて下さい。