私達がいう「常識の逆を行け」とは、決して「おいしそうな話があったら、周りが否定しても乗ってみろ」という事ではありません。
投資を始める際入り口では、「おいしそうな話」が沢山目につきます。
そこで簡単に「それはすごいや」と、投資を決めてしまうのは禁物です。
美味しい話の‘‘美味しさ”の根拠は、どこから来ているものなのか?
裏付けはあるのか?
は、やはり投資活動の一環として、しっかり調べておく必要があります。
更に、少額を投資してみて、実際に‘‘おいしい”リターンがあるのかをテストしてみるべきだと思います。
調べもせず、テストもせずに話に飛びつき、それで後になって「やっぱりおいしくなかった」「損をした」「騙された」と嘆いても、それは自業自得という事になってしまいます。
常識から外れる事と、綿密な精査をおろそかにする事はイコールではないのです。
この、「情報の精査」、つまり「その話は、本当においしいのか否か」を見極める際に重要なファクターとなるのは、やはり「人」です。
「誰がその情報を発信しているのか」が、話に乗る乗らないの第一のフィルターとなり、そこで成否の半分くらいは決まってしまうといってもいいと思います。
信用できる人の話であれば、耳を傾ける価値がある、これは至極当たり前の事なのですが重要です。
そして次に見るべき点は、そのおいしい話のリターンを生み出す「仕組み」です。
その話が、どのようなビジネスモデルのもとに成り立っているのか?という点を確認します。
例えば、普通に考えたら、かなり配当が良い・・・高利回りだという案件があるとします。
その際に、では利回りの源泉はどこにあるのか、この配当を生み出すだけの原資はあるのかという事を考えるのです。
要するに、「儲けのカラクリ」を嗅ぎ分ける嗅覚を働かせるという事です。
例えば「売上の10%を配当で払います」といった投資案件があるとします。
その「売上」が限りなく「利益」に等しい、つまりほとんど原価がかかっていないものであれば、利益の10%というのも決して無理ではないといえると思います。
しかし店舗経営などでは、売上が1000万円以上あったとしても、賃料、人件費、仕入れ代などで原価がかかりすぎ利益はほんの数%、わずかな額しか残らないケースもあります。
そんなところが「売上の10%を配当」などといっても、それは非常にあやしい話という事になります。
つまり、どのような仕組みで売上が立っているのか?
利益はどのくらいになるのか?
という事まで見極めていかなければ、10%というおかしい話に飛びつく事はできないわけです。
投資においては、「現実に起こっている事実」にこそ、しっかりと目を向けなければなりません。
まず第一に「誰が話している情報か」。
そして「その利回りの源泉となるビジネスの仕組みは何か」。
これらの事実を重視し、きちんと確認しておく事が重要なのです。