幸福構成

 

以前、成功の定義は「経済的自由」と「精神的自由」と言いましたが、実はこの成功も単なる手段であり通過点に過ぎません。

 

最終的な目的は「幸せになる事」、もっと言えば「自分の生活・人生は幸福だと感じる事」だと思います。

 

では、その幸福を構成する要素には何があるのでしょうか?

 

人によって異なるとは思いますが、中でも「充足感」と「納得感」を考える方は多いんじゃないかと思っています。

 

例えば「嬉しい」「楽しい」「面白おかしい」というのを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、そういった感情はわりと一過性の側面があります。

 

ある日は友達と美味しいご飯を食べながら楽しい会話に花が咲いた。

 

でも次の日にこっぴどく叱られて落ち込んだ。

 

などと、一時的に楽しい事があっても、一方で面白くない事やつまらない事、辛くしんどい事があれば、全体として「不遇な評価」となる事があります。

 

しかし充足感と納得感があれば、一時的に落ち込むような出来事に遭遇したとしても、全体を俯瞰すれば「おおむね大丈夫」と自分を肯定し支えてくれる根拠になります。

 

「充足感」とは、例えば物事をやり切った達成感、自分の能力を発揮しているという燃焼感、自分の能力が高まっているという成長実感、所属する組織や社会の役に立っているという貢献実感などです。

 

これらは分かりやすいと思います。

 

そして全力を尽くして事に当たれば、結果に関わらず「やれる事はやり切った」と満足できます。

 

逆に不完全燃焼ほど人をくすぶらせるものはありません。

 

強盗殺人といった罪を犯す人の多くが「無職」なのも分かるような気がします。

 

また、人間は本能的に成長欲求を持っていて、出来なかった事ができるようになる、前よりももっとうまくできるようになる事は嬉しいものです。

 

そうした自分の能力、そして自分の存在が誰かの役に立っているという実感。

 

誰かに必要とされている、誰かに喜んでもらっているという実感もやはり、充足感に通じます。

 

「納得感」とは、自分で考え自分で決断し行動してこそ得られる感覚です。

 

納得感があれば、結果がよくても悪くても素直に受け入れる事ができ、不平不満やネガティブな感情とは無縁になります。

 

仮に失敗でも「なるほど、個々が間違っていたのかも知れない。次はこうしてみよう」などと次の課題を見つける姿勢に繋がり、落ち込む事もありません。

 

そしてこの納得感はどこから来るかというと、それは「自己決定感覚」であり、独断力そのものです。

 

自己決定感覚は「自分らしく生きる」という自己実現欲求をも満たしてくれます。

 

自分で決めるとは、「自分が好きな事・やりたい事を選ぶ」という事ですから、自分という個性を発揮できる分野・環境で生きる事でもあります。

 

素の自分で生きられるのはまさに自己を実現する「自己実現」であり、当然ながら納得感も強くなります。

 

これは、人生の様々な場面で他人に決められたり、他人に決めてもらって得た結果では、到底到達できない感覚です。

 

つまり自分で決めるという行為は、自分の人生を生きているという実感に通じる非常に重要な要素なのです。

 

そう考えると、独断力は現代の生存戦略であり、独断こそが納得できる人生に繋がると言っても過言ではありません。

 

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